オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。

退職後も日本経済の研究を続け、日本を救う数々の提言を行ってきた彼は、このままでは「①人口減少によって年金と医療は崩壊する」「②100万社単位の中小企業が破綻する」という危機意識から、新刊『日本企業の勝算』で日本企業が抱える「問題の本質」を徹底的に分析し、企業規模の拡大、特に中堅企業の育成を提言している。

今回は、連載の最終回として、これまでの議論を総括してもらった。

長期的には「生産性がすべて」だ

今回の記事が本連載の最終回となります。そこで、これまでお伝えしてきた内容を総括してみたいと思います。

ノーベル経済学賞受賞者であるクルーグマン教授は、The Age of Diminished Expectationsという本の中で、「生産性はすべてではないが、長期的にはほぼすべてである」という名言を残しています(Productivity isn’t everything, but, in the long run, it is almost everything)。

今後の日本では、他の国以上に「生産性がすべて」となります。なぜなら、これからの日本では何十年にもわたって、どの先進国より人口が大幅に減少し続けるからです。それにより、主に以下の3つの変化が起こります。

(1)(需要者となる)客が大きく減る

(2)労働者が大きく減る

(3)高齢者の年金や医療費など社会保障費用を負担する人数が減る

これらの問題に対処するためには、生産性を高めなければなりません。