コロナ禍からの回復局面でトヨタ自動車の力強さが目立っている。8月6日に発表した2020年4〜6月期決算はグループの世界販売台数が約3割減少したものの、1588億円(前期比74%減)の最終黒字を確保した。

日本のメーカーで4〜6月期に最終黒字を確保できたのはトヨタとスズキだけ。経営再建中の日産自動車は2858億円の赤字に沈んだほか、ホンダは808億円の最終赤字と4〜6月期では初の最終赤字となった。欧米勢も厳しく、ドイツのフォルクスワーゲンは16億700万ユーロ(約2000億円)、アメリカのGMは7億5800万ドル(約800億円)の最終赤字に沈んだ。

トヨタの世界販売(トヨタ・レクサスブランド)は4〜6月期が前年同期比約31%減と、5月の決算会見で示していた販売見通しの約40%減よりも早いペースで回復している。6月単月では前年比16%減まで回復した。第1四半期に販売を下支えしたのは中国で、4〜6月期の販売は48万2000台と前年同期に比べ約14%増となった。

中国事業のうち合弁会社の利益(持ち分利益)は前年同期比30%増の412億円、中国にある連結子会社の営業利益は同57%増の558億円といずれも黒字維持に貢献した。

コロナでも中国の拡販目標を維持

そして今回の決算で、トヨタは2020年の中国の販売目標を176万台(前年比8.6%増)とするとした。実はこの176万台は、新型コロナウイルスが拡大する前の2020年の初めに掲げた数字と同じだ。

2月の決算会見でディディエ・ルロワ副社長(当時)は「新型肺炎という新しい問題が出てきて、そのインパクトは本当にわからない」と述べ、強い危機感を示していた。にもかかわらず、コロナの第一波を経ても当初目標を維持するところに、中国におけるトヨタの勢いが見て取れる。

コロナ禍以前からトヨタは新型車を積極的に投入してきた。2019年5月に新型「カローラ」と「レビン」、10月には新型「RAV4」、2020年2月にはRAV4の姉妹車の「ワイルドランダー」を発売している。

新型コロナの感染拡大で2月は工場が休止し、大部分の販売店が休業を余儀なくされたが、3月末には販売店がほぼ再開し、4月から販売は4カ月連続で前年を上回る。トヨタによると、地方でのモーターショーやオンラインイベントが顧客の来店につながっているという。