2020年9月16日、日産は「フェアレディZプロトタイプ」のオンライン発表会を実施した。発表されたのは、初代フェアレディZ(S30型)や1989年に登場した4代目(Z32型)を彷彿とさせるパールイエローをまとった流麗なスポーツカーであった。

1969年の初代(S30型)から、現行7代目(Z35)までのフェアレディZの歴史を思い起こさせつつも、最新モデルであることを一瞬で理解させるレトロモダンなデザインだ。

ただし、発表されたのはボディサイズとV6ツインターボエンジンであること、6速マニュアルトランスミッション(MT)を搭載し、フルデジタルメーターを採用していることなど、主にデザインを中心としたもののみ。

具体的な発売時期や価格などの説明は一切なく、未来への期待を抱かせるだけの内容であった。

しかし、オンライン発表会に質問者として参加したアメリカや日本のフェアレディZオーナーたちの様子は、おしなべてポジティブに見えた。この調子なら、次世代のフェアレディZは、販売面でもそれなりによい結果が期待できるのではないだろうか。

開発関係者の多くが「Z」の所有経験アリ

おもしろかったのは、オンライン発表会に登場した内田誠社長兼CEOをはじめとする日本人メンバーがみな、「自分もフェアレディZのオーナーであった」と報告していたことだ。

それも考えてみれば納得である。日本でいえば、双璧として「スカイラインGT-R」という絶大な人気モノが存在するが、それはあくまでも日本国内限定の話。しかも、希少価値が高く、若者がおいそれとオーナーになれるようなクルマではない。さらにスーパーカーとなった現在の「NISSAN GT-R」は、わずか13年ほどの歴史しかないし、こちらのオーナーの数はさらに限られる。

日産パビリオンでの発表会では歴代「フェアレディZ」が並べられた(写真:日産自動車)

一方のフェアレディZは、これまで1969年に誕生した初代モデル(S30型)から現行モデルまで、約50年にわたって約180万台が販売されてきた。中古で購入したオーナーも合わせれば何百万人、あるいは数千万人もの人がフェアレディZのハンドルを握ってきたことになる。

フェアレディZほど高い人気を維持しつつ、しかも長期間にわたって数多く販売されてきたクルマは非常に少ない。今回のフェアレディZにかかわった日産関係者の多くも、そうしたフェアレディZのオーナーの1人であったというわけだ。