具体的には、大きく3つに大別できる。1つ目はネットフリックスのような「オリジナル作品型」、2つ目は国内民放キー局傘下の配信サービスに多い「地上波連動型」、そして3つ目がDVDレンタルを置き換えたような「多作品型」だ。

ネットフリックスの戦略から見てみよう。今回の記者説明会でネットフリックスが鮮明に打ち出したのは「スタジオ化」の推進だ。動画配信各社はどこも多様な作品を取りそろえていることを魅力として打ち出すが、ネットフリックスはそこに自社スタジオで作ったネットフリックスだけで視聴できる作品を多数投入し、グローバルに競争力を高めている。

ネットフリックスのオリジナルアニメシリーズ「バキ」大擂台賽編©板垣恵介(秋田書店)/バキッッ製作委員会(提供:ネットフリックス)

日本でもそうしたスタジオ化が強まっている。前出の坂本氏は、「製作することは(ネットフリックス日本法人の)立ち上げ当初は難しかった。ただ、第二ステップ(製作段階)に進んでいる。(日本でも)精一杯自由なスタジオづくりをしたい」と語っており、海外のオリジナル作品のみならず、日本発の作品を充実させていくようだ。

ネットフリックスでアニメ部門を統括する櫻井大樹チーフプロデューサーは「日本アニメは急成長株、世界で見られる時代になりつつある」と語っていた。直近では人気漫画家など6人のクリエーターとのパートナーシップなども締結。2018年にはアニメ制作会社との包括的業務提携も結んでおり、実写よりもアニメ作品のスタジオ化が目立っていた。今後はアニメに加えて、実写作品にも力を注ぐ構えだ。その姿勢は作品数にも現れており、2022年までに日本発の実写オリジナルを15作品配信する予定だという。

「ドラマ連動企画」に活路見いだすHulu

国内外のオリジナル作品を大量投入するネットフリックスに対して、テレビ局らが運営する動画配信サービスは地上波チャンネルを持つ強みで勝負する。国内では日本テレビホールディングス傘下で運営するHulu(フールー)は、地上波で放送されている人気ドラマのアナザーストーリーなどを独占配信する仕組みで差別化を図っている。

とくに当たったのは、2019年4月から半年に渡って放送された『あなたの番です』の連動企画。毎週地上波ドラマの放送直後にアナザーストーリーを1話ずつ公開し、多くのドラマファンがフールーに加入するきっかけとなった。TBSやテレビ東京が出資するParavi(パラビ)でも同様のドラマ連動企画を実施する。地上波という圧倒的なリーチ力を武器に、すでに知名度のある自社コンテンツのファンを誘導する戦略だ。

最後はAmazon(アマゾン)プライムビデオやユーネクストが行う「多作品型」だ。アマゾンもネットフリックス同様、オリジナル作品を製作しているが、「以前ほどオリジナルに注力せず、超人気映画などの独占配信に軸足を移しているように見える」(競合配信サービス幹部)。事実、2019年はフジテレビが製作し興行収入93億円の大ヒットを記録した『コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命-』を配信事業者としては独占的に獲得、同サービスで2019年に最も視聴された作品となった。

ユーネクストも現在まで目立ったオリジナル作品を製作しておらず、「リアルのDVDレンタルを動画配信に置き換えるようなことをイメージしている」(ユーネクスト関係者)という。