ホンダがF1参戦を2021年で終了する。八郷隆弘社長は「再参戦はない」と言い切る。大義名分は「2050年のカーボンニュートラル」。端的にいえば、急速に進むクルマの電動化への対応だ。

そうなれば、2017年度から4年度連続で4輪販売第1位を獲得し、2011年発売から累計販売台数186万台を誇るホンダの国内主力モデル「N-BOX」も、どこかのタイミングでEVになってしまうのだろうか。さまざまな視点から、その可能性を探る。

まずは、ホンダの大規模な組織再編から見ていこう。4輪の量産開発について2020年4月、本社(本田技研工業)と研究所(本田技術研究所)が事実上、一体化した。

具体的には、本社の4輪事業部「ものづくりセンター」に、研究所の量産開発領域が融合した形だ。その1年前の2019年4月には、2輪の量産開発でも同様の措置が取られており、4輪を含めて「研究所は消滅した」という捉え方をするメディアもいる。

これについて、2020年10月16日にオンラインで開催された、F1参戦終了に関する取材会の際、本社の執行職・ブランドコミュニケーション本部長、渡辺康治氏は研究所の現状について改めて説明した。

大規模な組織改編を行った意味

「決して研究所(の機能)がなくなったわけではない。そもそも、1960年に研究所が独立した際、(目的は)未知の領域への挑戦だった。それが、徐々に量産開発が占める割合が増えて、(コストなど)効率の話になっていった」と、今回の大規模な組織再編の背景を説明した。

そのうえで「この先、(ホンダの商品の)独創性を保つために、(本社と研究所が融合した)量産開発向けの『ものづくりセンター』を設けた。そして、未知の領域の開発向けに『先進技術研究所』(知能化、AI、生産技術等)と、『先進パワーユニット・エネルギー研究所』(カーボンニュートラルやジェット等)がある。

さらに、(パワープロダクツ領域とロボティクス領域を融合させた)『ライフクリエーションセンター』と『デザインセンター』という、全部で5つの体系とした」と全体像を紹介した。