東海道新幹線を利用すると、「のぞみ」の本数が非常に多いことに気づかされるのではないだろうか。コロナ禍の影響で実際には8月7日からのスタートとなったものの、この春のダイヤ改正から「のぞみ12本ダイヤ」が導入され、1時間に最大12本の「のぞみ」が運行可能になった。

だが、実は定期運行の「のぞみ」は少ない。東京発の日中の時刻で見ると、毎日走る定期列車は1時間に4本だけで、これに「ひかり」「こだま」各2本が加わったものが標準的な定期ダイヤである。大半の「のぞみ」、とくに新大阪行きは臨時列車なのだ。

現在、東海道新幹線はコロナの影響による利用状況を踏まえ、各月の運行計画を運行前々月の中旬〜下旬ごろに発表している。毎月柔軟にダイヤを調整しているわけだ。なぜ東海道新幹線のダイヤはそれほど自由自在に決められるのか。JR東海に聞いてみた。

「波動性が高い」のが特徴

東海道新幹線の特徴は、月や日、時間帯によって需要が異なり、波動性が高いということである。言い換えれば、日や時間帯によって利用者の数に差があるということだ。ちなみに、利用者がとくに多いのは金曜日で、時間帯は18時だという。

「満員御礼はよくない」。意外に思えるかもしれないが、JR東海はそう考えている。鉄道会社にとって「満席」は理想的な状態に見えるものの、そうではないのだ。

新幹線で出かける場合、とくにビジネスの場合は行きの時間は決まっており、あらかじめ列車の予約をしているものの、帰りは用事が済みしだい利用する、ということが多いだろう。そんなときに各列車の座席がすべて埋まっているようだと、利用者にとって不便な状況になる。そこで、新幹線はいつでも乗りたい列車に乗れる、という状態を作り出せるよう、JR東海は輸送力を決めている。