鉄道ファンの中には、車両の写真を画像編集ソフトなどによって架空のデザインに仕上げる「ウソ電」の作成に力を入れる人たちがいる。「赤い電車」で知られる京浜急行電鉄は、実際に全国各地のモノレールや路面電車で、自社のウソ電のようなラッピング車両を走らせている。

2017年10月に大阪モノレールで運行開始してから3年。京急のウソ電は、南は沖縄都市モノレール「ゆいレール」から、北は北海道の北都交通が運行する空港連絡バスまで、複数の地方の主要都市に進出して存在感を徐々に増してきた。だが2020年に入って、そのデザインが変化したことに気づいている人は多くなさそうだ。

京急線の利便性をアピール

もともと京急になじみが薄い地方都市では、飛行機で東京に向かう場合「羽田に着いたらモノレールに乗って都心へ」というイメージを持つ人が多い。京急の全面ラッピング広告は、2018年11月に羽田空港国内線ターミナル駅(現在の羽田空港第1・第2ターミナル駅)が開業20周年を迎えるのを機に、自社線の空港線、とくに羽田空港―東京都心間の利便性をアピールする狙いがあった。

そのため、出発地の空港にアクセスするモノレールや、羽田便の利用者が比較的多い都市の路面電車で展開。その数は大阪を皮切りに地方では那覇、鹿児島、熊本、長崎、高松、広島、札幌の8事業者に上る。首都圏でも多摩モノレールや都営バス、国際興業バスで羽田アクセスをPRする車両を走らせている。