中国の新興EV(電気自動車)ブランドの「智己汽車」は1月13日、2021年末から2022年にかけて投入する最初の2車種のプロトタイプをお披露目した。

1車種目のセダンタイプは、今年4月の上海モーターショーの開催期間から予約を受け付け、年末に発売して2022年の納車開始を目指す。2車種目のSUVタイプは2022年に発売する計画だ。

智己汽車は中国の自動車最大手の上海汽車集団、ITサービス大手の阿里巴巴集団(アリババ)、政府系デベロッパーの上海張江高科技園区開発の共同出資により発足した。2020年11月26日のブランド発表からわずか2カ月弱でのプロトタイプ公開であり、プロジェクトの準備が水面下でかなり前から進められていたことを示唆している。

上海汽車にとって智己汽車は目下最優先のプロジェクトであり、高級EVブランドとしての育成を目指している。想定する競争相手はアメリカのテスラだ。アリババは、傘下の先端技術と基礎科学の研究機関「達摩院」が開発したAI(人工知能)技術を智己汽車に提供して協業する。

自動運転SoCにエヌビディア製を採用

1月13日の発表会で注目を集めたのは、智己汽車の新型車に搭載される先端技術の数々だ。自動運転機能に関しては、心臓部にエヌビディア製の自動運転向けSoC(システムオンチップの略称。CPUや各種コントローラーなどの基幹機能を1つのチップにまとめたもの)「Xavier(エグゼビア)」を採用し、15台の高精細カメラ、5台のミリ波レーダー、12台の超音波レーダーを搭載する。

さらに、将来はエヌビディアの次世代SoC「Orin(オーリン)」および3台の「LiDAR(ライダー)」(訳注:レーザー光を照射して対象物との距離を測定する3次元センサー)の搭載をサポートするという。

同じく注目されるのが、車載電池最大手の寧徳時代新能源科技(CATL)と上海汽車集団が共同開発した新型リチウムイオン電池の搭載だ。シリコンを含む負極材にリチウムをプレドープ(訳注:電池を組み立てる前に電極とリチウムをあらかじめ反応させる技術)することで高容量化を実現。新型車の最大航続距離は1000キロメートル近くに達するとしている。

本記事は「財新」の提供記事です

上海汽車集団は2017年にCATLと2つの合弁会社を設立し、車載電池およびバッテリー・マネジメント・システムを共同で開発・生産している。

この緊密な関係ゆえに、「上海汽車集団はCATLの最先端技術を最初に利用できる。新型電池の搭載は智己汽車が世界初になる」と、智己汽車の担当者は語った。

(財新記者:張而弛)
※原文の配信は1月14日

著者:財新 Biz&Tech