世界中で猛威をふるう新型コロナウイルス。日本では行動が活発で、感染しても無症状、あるいは重症例が少ない若い世代が感染を広げているとみられているが、それはフランスでも同じだ。

コロナ対策の夜間外出禁止令が出されているフランスでは1月18日、一般市民対象の新型コロナウイルスのワクチン接種のキャンペーンが開始された。昨年末からクラスター(集団感染)が認められた高齢者施設の入居者、さらに医療関係者にワクチン接種の対象を広げてきているが、今回は75歳以上の高齢者と一部の基礎疾患を持つ感染リスクが高い人を対象に、全国833カ所の会場で接種を受けられるようになった。

1月14日にカステックス首相は、2020年12月15日から導入されている20時からの夜間外出禁止令を1部の県から全土で18時に前倒しする方針を含む感染抑制対策を明らかにした。これは、国民生活を大きく制限する。

カステックス首相は「対策は少しずつ効果を上げている」としながらも、「イギリスで発生した変異種の感染拡大に警戒が必要」と記者会見で述べた。現在、政府は再度のロックダウンも視野に入れている。

大晦日に2500人規模の音楽ダンスパーティー

昨年の大晦日の夜から正月2日にかけて、フランスでは衝撃的な出来事が起きた。東部ブルターニュ地方の中心都市レンヌ郊外のリュロンの空き倉庫で2500人規模の違法なレイブ・パーティー(音楽ダンスパーティー)が強行され、当局に摘発された。参加者の1部は駆け付けた憲兵隊車両に放火し、投石なども行った。

約1200名が検挙され、罰金を科され、PCR検査の後、10日間の自宅隔離を命じられた。そのとき、逮捕された主催者の1人は、仏日刊紙ウエスト・フランスのインタビューに応じ、「準備段階で想定以上の若者から参加の申し込みがあり、彼らがコロナ禍で極度のストレスを感じ、発散したがっていることを確信した」「後悔はしていない」と語った。

現場になったリュロンは、筆者が20年以上教鞭をとったレンヌの大学から約30キロ南にある小さな町で、車で何度も通ったことのある場所だった。参加者の多くは学園都市レンヌの大学生や専門学校生だった。