「日本の常識は海外の非常識」は病院にもある 性善説が蔓延している医療現場で大丈夫か

「日本の常識は海外の非常識」は病院にもある 性善説が蔓延している医療現場で大丈夫か

安倍政権の旗振りによって、日本は実質的に移民解禁へと舵を切ろうとしている。今後、外国人に対する医療が課題となるわけだが、日本の病院は国際的な基準で見ると、どうも心もとないという。国際医療の現場を見てきたコンサルティングファーム「JMT Joint Advisory」の車藍さんが解説する。

医療機関の国際認証(ここでは、JCI:Joint Commission Internationalを指す。以下同)というものが存在する。全世界で1076医療機関が取得をしているが、日本でのその数は27にとどまる。この国際認証基準と日本の医療機関の違いを中心に、世界の医療現場では何を求められているのか見ていくとしよう。

そもそもJCIの審査では、どこを見ているのか。具体的には、患者安全と医療の質を向上し続ける仕組みになっているかどうか、屋上から地下までの全施設、医療機器などのハードウェア面、患者の導線から医療機関内の各種委員会の運営までをも含むソフトウェア面をくまなく審査する。

この審査は、決して形式的に書類がそろっていれば合格できる審査ではない。単に診察や治療(臨床面)だけがエビデンスに基づいて運営されていれば合格できるものでもない。求められるのは、医療現場の臨床面、そして、病院の管理運営をしている非臨床面の両側面で、エビデンスベースでの患者中心の運営である。

一度このJCIプロジェクトを始めると、つねに改善し続けることが求められる。一部の職員が頑張ればいいものでもなく、全職員が一丸となる必要があるのだ。患者のために組織をどういう仕組みにするのがいいのか考える。その考えを取りまとめて組織のルールを作っていく。この活動は時間と労力がかかるうえに、並大抵の頑張りだけでは成功しない。

日本と海外の病院管理の違い

筆者は2014年からJCIのコンサルティングに携わってきた。その経験から言えば、日本国内にある大手病院の医療現場でさえも、国際的な基準で見れば心もとないと感じることが少なくない。海外の認証など取らなくても、日本独自の基準で医療の質を高めればいいという議論もあろう。だが、事はそう単純ではない。

日本の医療機関には、「品質管理部門」という部門を設けているところがある。JCIの認証を取得しようとなると、この品質管理部門が中心となることが多い。海外でも同じような状況で、認証取得を準備するためには品質管理をする部門が中心となって動いているようだ。

ところが、日本と海外とでは、その役割や責任の大きさが異なる。日本のそれが病院の品質に関する情報を統括する一方、海外のそれは病院の品質そのものを管理している。


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