日本の「法医学者」を取り巻く何とも厳しい現実 フジ月9「監察医 朝顔」で上野樹里さん演じる

日本の「法医学者」を取り巻く何とも厳しい現実 フジ月9「監察医 朝顔」で上野樹里さん演じる

「法医学とは、死者の尊厳はもちろん、これから生きる人たちにどう役立てていくかというもの。生きる者につないでいく、死者からのメッセージなんです」

こう語るのは、千葉大学大学院医学研究院法医学教室教授の岩瀬博太郎氏。最近は、法医学者を主人公にしたドラマや小説なども増え、彼らの存在が世間に認識されるようになった。

だが、法医学がどれほど社会貢献度の高い仕事なのかは、まだ知られていない。

法医学者は、事件性が疑われる遺体だけでなく、死因不明の遺体の死因の究明を行っている。ほとんどは大学の法医学教室に所属し、警察、検察、海上保安庁、自治体から依頼を受け、解剖のほかにCTやMRIなどの画像検査、薬毒物検査、血液および尿の生化学検査など、さまざまな検査を行い、詳細かつ膨大なデータから自殺か他殺か、事故死なのかといった判断を下していく。

岩瀬教授が籍を置く千葉大学大学院医学研究院附属法医学教育研究センターでは、年間でおよそ400体の解剖を行い、その数は増加の一途をたどっているという。

また、指紋や歯科所見、DNA型などで遺体の身元を明らかにする個人識別、遺伝子情報による親子や血縁鑑定、虐待やDVなどで受けた損傷の評価などを行う臨床法医学の実務などもある。

これほど多岐にわたる業務にもかかわらず、日本に法医学者は130人ほどしかいない。遺体の身元確認における最後の砦ともいえる法歯学者にいたっては、およそ20人しかおらず、圧倒的な人手不足や制度の制限により、法医学を取り巻く環境はとても厳しいのが現状だ。

東日本大震災では陸前高田で身元確認作業

同センターでは、地震などの天災をはじめ、テロや航空機事故などの大規模災害が起こった場合に、医師や歯科医師を現地に派遣し、遺体の検案や身元確認の作業も行っている。

岩瀬教授と、同院法医学教室准教授で歯科医師の斉藤久子氏は、東日本大震災直後の岩手県陸前高田市に入り、遺体安置所である米崎中学校で身元確認作業に尽力した。


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