「暴力」が学校では「容認」されるおぞましい実態 指導の現場でなぜ暴力がなくならないのか?

「暴力」が学校では「容認」されるおぞましい実態 指導の現場でなぜ暴力がなくならないのか?

小さなトラブルかもしれないが、筆者には、引っかかっている事件がある。

6月30日、広島東洋カープの緒方孝市監督が、チームの外野手野間峻祥の怠慢プレーに怒って暴力をふるった一件である。仮に野間が被害届を出していれば、緒方監督は罪に問われかねない。そうせよと言っているわけではないが、どのような理由があるにせよ、暴行は加害者に非があるし否定されるべき行為のはずだ。この件は7月24日にNPBに報告され、球団からは「厳重注意」処分が下されたという。

野球界には「暴力容認」の空気がいまだに残っていることは否定できない。日本学生野球協会は、定期的に審査室会議を開き、不祥事があった高校、大学の処分を決めているが、その中には必ず指導者や部員の暴力行為が含まれている。

市立尼崎高校で起きた事件

スポーツにおける「暴力」は野球だけでない。日本の体育会系部活の多くに暴力的な体質が根強く残っている。今年4月、兵庫県尼崎市立尼崎高校では、男子バレーボール部のコーチが3年生部員1人の顔を10回以上平手打ちして失神させ、顔面打撲などの怪我をさせた。

暴力行為は練習試合が行われているコートの横で行われたが、コーチは選手が失神しても試合を中断させず、医者にも連れて行かなかったという。高校日本一になったこともある強豪としても知られた男子バレーボール部ではこれも含め過去2年間に計7件の体罰をしたことが尼崎市教育委員会によって確認されている。

筆者は男子バレーの著名な指導者に話を聞いたことがあるが、昔の男子バレーでは監督やコーチが選手に暴力をふるうことがしばしばあったそうだ。別の男子バレー指導者は「今は手をあげることはないが、俺たちは殴られ、蹴られてうまくなった」と語っている。

市立尼崎高校では、硬式野球部も、部長が2017〜19年、部員の顔や胸などを強く押したり頰をつねったりするなど少なくとも16件の体罰を行っていた。また、部内で1日7合の米飯を完食させることを課し、食べ終えるまでは帰宅させないなどの不適切な指導をしていたという。無理に食事をとらせることが選手の体力、体格向上につながらないことは、医学的に明らかになっている。

市教委は、これら指導者を停職や減給処分にした。また暴力を看過し、事実と異なる報告をした校長と教頭を減給処分とし、市教委事務局に異動させた。また、教育長も給与の一部を自主返納した。6月には市立尼崎高のほかの3つの部活でも暴力、パワハラ行為があったことが明らかになっている。


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