日本の大手商社や電力会社、金融機関が関与して進められているインドネシアの石炭火力発電所に関する許認可をめぐり、贈収賄疑惑が持ち上がっている。

インドネシアの捜査機関である「汚職撲滅委員会」は2019年11月、インドネシア・西ジャワ州のチレボン石炭火力発電所2号機(出力100万キロワット)の建設工事を請け負っている韓国・現代建設の幹部を贈賄の疑いのある容疑者として発表した。容疑者として発表されたのは、同発電所に絡み、2019年10月に収賄やマネーロンダリングの疑いで容疑者とされたチレボン県の前知事に続いて2人目となる。

贈収賄疑惑は日本企業にも降りかかる

現地メディアによる1月11日付の複数の報道によれば、汚職撲滅委員会は現代建設から前知事側への資金の流れについて捜査を続けている。資金の仲介役を果たした企業の幹部も捜査の対象となっており、架空の作業指示書を作り上げたうえで、あたかも火力発電所の作業に関する発電事業会社へのコンサルティングサービスであるかのように見せかけていたと報じられている。

前知事は別の汚職事件で2019年5月に懲役5年および罰金2億ルピア(約160万円)の判決を受けており、すでに服役している。その犯罪捜査の過程で、チレボン2号機の許認可関連と見られる不透明な資金の流れの一部が判明。前知事の判決文の中にその実態が記されたことで、贈収賄疑惑が拡大した。

チレボン2号機の建設計画には日本の大手企業も名を連ねており、贈収賄疑惑の火の粉は日本企業にも降り始めている。

チレボン2号機の発電事業会社「チレボン・エナジー・プラサラナ社」(CEPR社)には、東京電力と中部電力グループの火力発電事業会社JERAや大手商社の丸紅がインドネシアの大手石炭採掘会社や韓国の電力会社などとともに出資している。丸紅の出資割合は出資企業のうちで最多の35%、JERAは10%となっている。