日本では現在、100万人以上の人がうつ病で治療を受けています。うつ病(気分障害を含める)の生涯有病率は6.7%。つまり、15人に1人はうつ病になる可能性があるわけです。

ここに追い打ちをかけて、新型コロナウイルス感染症に伴い、メンタル疾患の患者が激増しています。「大切なのは、うつ病の手前の段階で症状を食い止めること」と精神科医でベストセラー作家の樺沢紫苑氏は言います。

今回は、著書『ブレイン メンタル 強化大全』から、科学的にうつを予防する方法を紹介します。

うつ病は、「心の風邪」といいますが、それは早期発見、早期治療した場合の話。こじらせると非常にやっかいで、職場復帰、社会復帰するのに数年かかる場合も珍しくありません。心の風邪というよりは、「心の骨折」。再発率は約50%ともいわれ、一度かかると極めてやっかいな病気です。

健康だった人が、ある日突然、うつ病になるということはありません。「前うつ」「軽うつ」と呼ばれる「予備軍」の状態を経て、数カ月かけて、うつ病に至ります。

うつ予備軍の状態であれば、生活習慣を整え、ストレスを減らし、きちんと休養をとるだけで1〜2週間で治ります。しかし、いったんうつ病になってしまうと、最低でも数カ月、場合によっては数年もかかる。極めて治りづらい状態に陥ります。

大事なのは「うつ予備軍の状態」で治すこと

「うつ予備軍」とは「風船がはちきれそうな状態」で、「うつ病」とは「風船が破裂した状態」。予備軍の段階で膨らんだ風船の空気を抜くのは簡単ですが、破裂した風船を完全に修復してもとに戻すのは極めて難しいのです。

つまり、予備軍の段階で、きちんと対応すればうつ病には進行しません。うつ病は、予備軍の状態で必ず治す。これだけは、覚えておいてほしいです。

うつ病の予防法は、「睡眠・運動・朝散歩」です。私は、「睡眠・運動・朝散歩」こそが、「究極のうつ病予防」であり、「すべてのメンタル疾患の予防法」と考えます。ですから、元気なときから、つまりメンタル的になんの問題もないときから、「睡眠・運動・朝散歩」を当たり前の習慣にしてほしいのです。