10歳のときに不慮の事故に遭って昏睡状態となり、35歳になってようやく目覚めたものの、心は10歳のままだった……。柴咲コウさんは、現在放送中のドラマ「35歳の少女」(日本テレビ系)で、そんなとびきりの難役を演じています。

柴咲さんが演じる時岡望美は、常に戸惑い気味の表情であるほか、口のまわりを汚しながら食べ、「エーン」と泣きじゃくり、生理を初めて経験して動揺……。10歳の少女が憑依したような演技を見せ、驚くほど美人女優としての面影はありません。しかし、セリフが少なく、ほぼ表情や仕草のみで演じているため、視聴者にすごみを感じさせています。

ただ今年、柴咲さんが難役を演じたのは、これだけではありません。

5月には、緊急事態宣言が発令される中、“テレワークドラマ”として緊急制作された「今だから、新作ドラマ作ってみました」(NHK)の「第3夜 転・コウ・生」に出演。自ら自宅に機材をセッティングし、ヘアメイクも行って、柴咲さん本人の役を演じたほか、ムロツヨシさんや愛猫「のえる」と入れ替わってしまうというトリッキーな役柄を演じ切りました。

さらに、朝ドラ「エール」(NHK)では、主人公夫婦に大きな影響を与える世界的オペラ歌手・双浦環を熱演。「日本人初の国際プリマドンナ」として活躍した三浦環さんがモデルの役であり、「ヒロインから憧れられる」というカリスマ性を醸し出すために、柴咲さんは声楽の基礎から学び直して挑んだそうです。

この3つのドラマはすべて柴咲さんが3月31日に大手芸能事務所・スターダストプロモーションを退社後に放送されました。つまり、独立早々から「独立後の柴咲コウは難役しか演じないのか?」と思わせるほど、チャレンジングかつストイックな姿勢を見せているのです。

3つの事業を手がける実業家だった

チャレンジングかつストイックな姿勢は、その他の面でも感じられます。

柴咲さんは3月31日で所属事務所を退社して独立。2016年に設立し、自らが代表を務めてきた会社「レトロワグラース」が芸能活動のマネジメントを行うことを発表しました。それほど知られていませんが、柴咲さんはエンターテインメント事業、アパレル事業、セレクトショップ事業の3部門を持つ会社の代表だったのです。