1500年以上もの歴史の中で日本人の暮らしに深く根付いている国技「相撲」。約半年間、境川部屋と髙田川部屋の2つの稽古場に密着した大相撲界初のドキュメンタリー映画『相撲道〜サムライを継ぐ者たち〜』がTOHOシネマズ 錦糸町、ポレポレ東中野ほか全国の劇場で順次公開されている。

想像を絶する朝稽古、驚きの日常生活、親方・仲間たちとの固い絆、そして本場所での熱き戦いの日々を追いかける中で、相撲の魅力を歴史、文化、競技、さまざまな角度からひもといていく。監督はTBS所属のディレクターで、「ズバリ言うわよ!」「マツコの知らない世界」などのヒット番組を手がけた坂田栄治氏。バラエティー番組で培った胆力、フットワークを駆使して、相撲界に飛び込み、貴重な映像を収めている。そこで今回は坂田監督に本作取材の裏側について聞いた。

番組制作の能力を他のところに使いたい

――かなり相撲界の内側に入りこんだドキュメンタリー作品だと思ったのですが、もともと相撲はお好きだったんですか。

僕は相撲を欠かさずに見ている相撲マニアというわけではなく、そんなに詳しくもなかった。

TBSでバラエティー番組を作っていて、それこそ細木数子さんやマツコ・デラックスさんといった方たちと人気番組を手がけていた。自分の中ではもうテレビでやりたいことは、やり終えたなという感じがあったんです。自分で言うのもなんですが、番組を当てる技術があって、編集もうまいし、企画を立てるのも得意。そして東京でオリンピックを開催することが決まったときに、この能力を他のところに使いたいというか、オリンピックの年に日本人として日本のために何かやりたいなと思うようになったのです。

――それが相撲のドキュメンタリーだったと。

その時は漠然としていました。ただ、格闘技は好きだったんで、「マツコの知らない世界」の相撲メシの回のゲストとして出演してくれた相撲漫画家の琴剣さんに、朝稽古を見たいと言った。実際に見にいって衝撃を受けたのです。朝から稽古しているからこんな体になるんだとか、強い力士と強くない力士の差はここにあるんだとか、力士は同じ部屋にこういう感じで住んでいるんだとか……。知らないことが多すぎると思ったんです。