離婚率からわかるのはどのような内容でしょうか(写真:bee32 / iStock)

メディアでよく取り上げられる離婚率。これは「その年に提出された婚姻届件数に対して、離婚届件数は何割になるか」を示しています。この割合をもって、「今や3組に1組が離婚する」というのは、単年度データだけ見て解釈するならば、ちょっと浅い見方になります。どうしてでしょうか。

日本においてはこの半世紀、半分以下に急減した出生数と同じ速度で、「初婚同士の婚姻数」が急減しています。つまり離婚率の計算式の分母となる婚姻届の数は、急減している状況下にあります。それに対して、離婚届(分子)は、今よりもずっと婚姻が多かった時代の夫婦による離婚です。

数が減っている婚姻届を分母として、過去の婚姻から発生する離婚届を分子として計算するため、「同じカップルについてのその後の離婚予想」として見るには、過大に計算されやすい、ということは意識しておく必要があるでしょう。

離婚率からわかる「カップル数の維持力」

「じゃあそんな割合は使えないの?」という疑問が涌く読者もいると思います。しかし、そうでもありません。例えば今回、都道府県別に2018年の離婚届/婚姻届を計算した結果をお見せしますが、このデータ(厚生労働省「人口動態調査」を使用)からは「その都道府県からどの程度、夫婦数が減っていっているのか」がわかります。

例えばA県の婚姻届が1000件とします。A県では2018年に戸籍上のカップルが1000件増加します。計算をシンプルにするために死別・転居は除いて考えます。一方、離婚届が300件提出されました。そうすると、A県では実質700件、カップルが増えたことになります。

単年度の離婚率の比較からは、「その都道府県におけるカップル数の維持力」が見てとれます。「同じことを言ってない?」と言いたくなる人もいるかもしれませんが、それは違います。

「同じカップルがその後3割以上は離婚に至る」というような、カップルを個別追跡する調査のイメージとは異なり、そのエリア全体でのカップル数を(途中から転居してきたカップルを含めて)どの程度維持していけそうなのか、という大まかな「カップル数維持力指標」になります。