JR西日本の夜行特急「ウエストエクスプレス銀河」が運転を開始しました。ところで「銀河」といえば、かつて東京と関西を結んだ寝台急行列車を想起する人もいるかもしれませんが、どのような列車だったのでしょうか。

東京〜大阪・神戸間を結ぶ寝台急行だった

 JR西日本の夜行特急「ウエストエクスプレス(WEST EXPRESS)銀河」が2020年9月11日(金)夜に営業運転を開始しました。本来ならば5月から運転される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期されていました。

 列車は、下りは京都〜出雲市間、上りは出雲市〜大阪間を走ります。国鉄時代に製造された117系電車を改造した車内には、個室や簡易寝台などが設けられています。

 ところで「銀河」と聞いて、かつてのブルートレインを想起する人もいることでしょう。同じく夜行として走りましたが、どんな列車だったのでしょうか。

「WEST EXPRESS」の付かないかつての「銀河」は、東京〜大阪間を結ぶ寝台急行列車でした。機関車が客車をけん引する編成で、運行区間はJR東日本、JR東海、JR西日本の3社にまたがりました。2008(平成20)年3月に廃止されるまでの「銀河」の歴史は戦前まで遡ります。

 当時は東京〜神戸間を夜行急行が3往復していました。このうち上りと下り1本ずつの客車は運賃が非常に高い1等車と2等車のみで、利用客は高額な運賃を払える華族や財界の著名人など、富裕層ばかりだったといいます。

 夜行急行は戦時体制への突入にともない一旦は廃止されましたが、戦後の1947(昭和22)年6月、東京〜大阪間で復活しました。この時、3往復中の1往復に、夜の星空をイメージさせる「銀河」という愛称が付けられました。国鉄の急行列車に愛称が付けられたのはこれが初めて。運転区間はのちに、戦前と同じ東京〜神戸間に延長されます。

特急用寝台客車「ブルートレイン」を連結

 東京と関西を結ぶ夜行急行は、その後も高度経済成長にあわせて増強されましたが、1964(昭和39)年10月に東海道新幹線が開業すると、長距離客の多くは新幹線へ。これにより夜行急行は徐々に数を減らし、ついに1975(昭和50)年3月、東京と関西を結ぶ夜行急行は東京〜大阪間を結ぶ「銀河」1往復だけになってしまいました。

 そのような中、翌1976(昭和51)年2月、「銀河」に特急用の20系寝台客車が導入されます。これは寝台特急に新型の寝台車が導入され、それにより従来の客車が余ったためです。“おさがり”ではありますが、急行に青い寝台客車の「ブルートレイン」が導入されたのはこれが初めてでした。その後の1985(昭和60)年3月には、20系より新しい14系客車が導入されています。

 しかし東海道新幹線のさらなる高速化や、低価格の夜行バス、ビジネスホテルの普及などにより、「銀河」の利用者は徐々に減少。冒頭に述べた通り2008(平成20)年3月に廃止されました。

 それから12年後、愛称に直接的な関連はないものの、「銀河」を冠する列車が再び走り始めたわけです。「ウエストエクスプレス銀河」には、西日本エリアを宇宙に、各地の魅力的な地域を星になぞらえ、それらの地域を結ぶ列車という意味が込められています。