外環道の千葉区間が2018年に開通して以降、埼玉県内、とりわけ東西方向の道路で混雑が激しくなっています。これを緩和するひとつの手法として、首都高の延伸が議論されています。

外環道「千葉区間」の開通で埼玉激変

 2018年6月、外環道の三郷南IC〜高谷JCT間(以下「千葉区間」)が開通し、周辺の一般道や首都高の東京都心部では渋滞が大きく改善されました。その一方で、混雑が激しくなっているのが埼玉県内です。外環道の大泉JCT〜三郷JCT間(以下「埼玉区間」)だけでなく、並行する国道298号など一般道にも影響が出ています。

 2020年8月に国土交通省 大宮国道事務所で開催された委員会の資料によると、外環道千葉区間の開通以後、埼玉区間では渋滞損失時間が約3.4倍に増えたといいます。これは、埼玉県内の高速道路における平均の約2.5倍だそうです。さらに、圏央道以南で地域を東西に貫く国道16号、463号、298号の渋滞損失時間も約1.1倍増加、県内の一般道における平均の約1.7倍という状況です。

 こうした状況の変化に対応すべく、国土交通省や埼玉県などの関係者のあいだで検討されている道路整備のひとつに、首都高の延伸があります。

 埼玉県内の首都高は、東京都板橋区から新大宮バイパス(国道17号)に並行してさいたま市内の与野JCTまで延びる南北方向の路線(5号池袋線/S5埼玉大宮線)と、与野JCTからさいたま見沼出入口に至る東西方向の路線(S2埼玉新都心線)の2つです。このうち与野JCTから北、圏央道の桶川北本IC方面へ延伸させる「新大宮上尾道路」の事業が、2017年度から進められています。

 そしていま、埼玉新都心線を見沼から東へ延伸し、東北道へつなげるという計画も検討されています。

通過するだけのクルマ 首都高に転移?

 大宮国道事務所の資料では、「外環道(三郷南〜高谷)開通後の交通状況の変化等に対応するため、『埼玉新都心線〜東北道を始めとして東西軸の効果的な対策等の検討を進める』」とあり、二重カギかっこの部分は赤字で強調して記されています。

 同事務所によると、いまだ検討段階の話だといいますが、圏央道以南における東西方向の主要道路の混雑緩和を意味する「東西軸の効果的な対策」として、ここ数年来で唯一、具体的に書かれているのが埼玉新都心線〜東北道の区間で、県議会においても整備の要望が出されるなどしています。

 仮にこの区間が整備されれば、どのような効果が考えられるでしょうか。

 前述した圏央道以南で東西に伸びる主要3国道(16号、463号、298号)や、主要な県道、また外環道においても、平日の交通量は容量を超過しており、通過するだけのクルマが多いという状況があるといいます。とりわけ、外環道・関越道・東北道・圏央道に囲まれた地域は、通過交通の割合が約6割、大型車においては約8割以上に上るそうです。

 そうしたなか、首都高埼玉新都心線は首都高で最も交通量が少なく、さいたま見沼出入口の平日における平均利用台数は3000台強に留まります。東北道に接続させるポイントは、おおよそ浦和IC付近かその前後と考えられるでしょう。

 これができれば、東北道〜外環道あるいは東北道〜都心方面(首都高S1川口線)を行き来するルートのバイパスになることが考えられます。また、仮に東北道との接続ポイントで一般道にも接続し、そこから首都高へ直接入れるとすれば、国道463号などの一般道から首都高への転移が進み、混雑緩和につながるかもしれません。

※一部修正しました(9月23日10時13分)。