高輪ゲートウェイ、虎ノ門ヒルズ……東京近郊にできる最近の駅名は、カタカナ交じりのものが多くなっています。商業施設などに由来するものもあれば、関連する施設名をわざと英語で表したようなものもあります。

高輪ゲートウェイ、天王洲アイル……ちゃんと由来あります!

 2020年3月開業の高輪ゲートウェイ駅(JR山手線)や、6月開業の虎ノ門ヒルズ駅(東京メトロ日比谷線)など、最近になってできた鉄道駅は地名にカタカナを交えたものが増えています。高輪ゲートウェイなどは、公募で「高輪」とする案が最も多かったにもかかわらず、JRが「ゲートウェイ」を付け加えたことも記憶に新しいところです。

 これは、駅周辺の再開発地区名「グローバルゲートウェイ品川」にちなむ文言ですが、類似の例はほかにもあります。

 たとえば天王洲アイル駅(東京モノレール、りんかい線)。30年ほど前にできた駅ですが、これも周辺の再開発地区名に由来します。江戸時代、海中の土砂が堆積してできた州に、漁師の網に牛頭天王の面が流れついたことから「天王洲」、その埋立地を再開発するにあたり「島」を意味する「アイル(Isle)」を組み合わせてこう呼ばれるようになりました。

 なお、りんかい線で隣の東京テレポート駅も、臨海副都心の当初の事業愛称「東京テレポートタウン」に由来します。「情報通信基地の機能を備えた都市」という意味合いで付与され、当初はオフィス街となる予定でしたが、結局はアミューズメント施設などが誘致されており、駅名はその名残となっています。

 同じくりんかい線の品川シーサイド駅は、複合施設「品川シーサイドフォレスト」に由来します。特定の施設に由来する点は、虎ノ門ヒルズ駅と同じといえるでしょう。

セントラルパークなんて存在しない「流山セントラルパーク駅」

 一方、埼玉県の巨大なショッピングセンター、イオンレイクタウンに直結している越谷レイクタウン駅(JR武蔵野線)は、施設名ではなく周辺一帯のニュータウンに由来する名称で、駅を含む周辺の住所まで「越谷市レイクタウン」となっています。

 路線自体が21世紀に誕生したつくばエクスプレスも、ニュータウンっぽい名前の駅がいくつもあり、カタカナ交じりの駅としては流山セントラルパーク駅と、柏の葉キャンパス駅が挙げられます。

 このうち後者は、千葉県立の「柏の葉公園」と、東京大学柏キャンパスがあることから、両者を掛け合わせた駅名に。ただ周辺一帯の開発コンセプトとして「柏の葉国際キャンパスタウン構想」なるものもあり、天王洲アイルや東京テレポートと同じような由来ともいえます。

 異色なのは流山セントラルパーク駅です。周辺に「セントラルパーク」なるものはありません。流山市総合運動公園があり、市民アンケートの結果からも「流山運動公園駅」で決まりかけたのですが、「新しい街づくりの方向性を示せる」「未来をつくっていく若い市民の感覚も大切にする」ことなどから、開業5か月前に現駅名が決まりました。

 井崎義治流山市長は2013(平成25)年、東洋経済新報社のインタビューにおいて、「この駅名がついたことで、街に比較的高級なイメージが涌くため、マーケティング戦略を進めることができた」と振り返っています。マンション開発会社なども、街のブランド化に本気で取り組むようになった大きな転機だったそうです。

 このようにカタカナ入り、英語入りの駅名は、地域のコンセプトやイメージ戦略を反映していることがあります。駅直結のショッピングモールを閉鎖し、より広域に再開発したエリアの街びらきにともない、駅名を「南町田」から改称した東急田園都市線の南町田グランベリーパーク駅のように、既存駅を変える例も今後増えるかもしれません。