東名高速下り線のリニューアル工事で、大井松田〜御殿場間の「左ルート」が長期閉鎖されています。この影響で休日の午前中を中心に、東名では激しい渋滞が発生。実際に走ってみると、珍しい光景も見られました。

東京〜新富士、4時間かかった…

 2020年9月から12月にかけ、東名高速のリニューアル工事が行われており、12月18日(金)まで、大井松田IC〜御殿場JCT間の下り線で「左ルート」が全面閉鎖されるなど、大規模な交通規制が発生しています。

 渋滞が予想されるとして、NEXCO中日本はテレビCMをはじめとした工事広報、なかでも迂回の呼び掛けを行っています。ただ折りしも「GoToトラベルキャンペーン」などで交通量も増えている時期。実際に走ってみると、渋滞は激しいものでした。

 今回は11月21日(土)の11時15分頃に東京ICを通過し、新東名の新富士ICを目指しました。距離は138km、空いていればおおよそ2時間ですが、結果から言うと約4時間かかりました。ただし、途中で一般道へ出たり、別ルートに行ったりと迂回をしています。また、10分から20分間の休憩を2回取りました。

 事前に、東京ICの先で渋滞区間が大きく2つあることがわかっていました。最初は、東名川崎ICから海老名JCTにかけてです。東京ICのすぐ先は流れていましたが、所要時間表示板では3つ先の横浜町田ICまで「80分」と出ています。果たして、東名川崎IC手前の東京料金所を過ぎるとすぐ、ノロノロ渋滞が始まりました。

 東京側の下り線の渋滞ポイントは、上り線側と同じく、横浜町田IC〜海老名JCT間にある大和トンネルであることが知られています。実際、今回もラジオの交通情報では、この渋滞について「大和トンネルを先頭に」としていました。

 しかし、最近は少し変化しているようで、途中の横浜青葉ICまでの区間において、とりわけ渋滞が激しくなっていました。

横浜青葉で渋滞増、横浜町田はやや緩和?

 これは、2020年3月に首都高K7横浜北西線が横浜青葉ICへ接続した影響が考えられます。従来、横浜町田ICに接続する新保土ヶ谷バイパスが一手に担っていた横浜市街地と東名を結ぶ役割を、横浜北西線が新たに担うようになったのです。Googleマップを見ると、横浜青葉ICまでは深刻な渋滞を示す濃い赤の線で、そこから大和トンネルまでは、やや緩和するのか黄の線で表されていました。

 ただ、トイレに行きたくなり、横浜青葉ICで一般道へ下りました。昼時のため、この先の港北PAが混雑して停められない恐れがあると判断したためです。横浜青葉ICから横浜町田ICまでは幹線道路の国道246号が並行しているので、さほどの時間ロスにはならない、と思いましたが、こちらも渋滞していました。

 横浜町田ICで再び東名へ入ると、予想通り、横浜青葉IC手前よりも割と流れていました。ただし、この先でもう1か所、大きな渋滞が待ち構えています。秦野中井ICの手前からビッシリのようで、海老名JCT付近の情報板には「御殿場JCTまで110分以上」の文字が。これはたまりません……。

 そこで、厚木ICで流出し、NEXCO中日本もテレビCMなどで推奨している小田原厚木道路へ迂回することにしました。ただし、小田原市街や箱根には入らず、その手前の小田原東ICで降りました。なぜなら小田原東ICは、国道255号をまっすぐ北上すれば、東名の大井松田ICにつながるからです。小田原厚木道路は、二宮IC付近で若干渋滞したものの、小田原東ICまで比較的スイスイ進むことができました。

 この迂回が功を奏したといえるかはわかりませんが、大井松田ICから入った後、珍しい光景を見られました。右ルートの渋滞を横目に、なんと閉鎖中の左ルートを一部走行することができたのです。

「え、左ルート通るの!?」

 大井松田ICから東名の名古屋方面へ合流すると、すぐに右ルートと左ルートの分岐点に差し掛かります。ここで右ルートへ合流させるのは危険とNEXCO中日本は判断したのでしょう。大井松田ICからの流入車は、しばらくのあいだ、閉鎖している左ルートを通行させ、右ルートが近づくポイントで左ルートから合流させるようにしていました。

 ほかにも、左ルート閉鎖の影響を極力カバーしようとする工夫が随所に見られました。左ルートにしかない高速バス停を、左ルートと右ルートのあいだに仮設(右ルートから利用可)していたり、同じく左ルートのみにある鮎沢PAへ、右ルートから一部左ルート経由で入れるようにしていたりします。

 とはいえ、普段は右ルート2車線、左ルート2車線の下り線が右ルートのみになるのですから、渋滞するのも無理はないかもしれません。

 右ルートの渋滞の先頭は、鮎沢PAの手前にある都夫良野(つぶらの)トンネルです。普段はそれほどではありませんが、左ルート閉鎖で交通量が増えたため、上り坂でカーブが多い線形が災いして速度低下による渋滞が発生するようになっています。しかしながら、その緩和策も織り込まれていました。

 トンネル手前には、流れるように光る灯火に視線を誘導させ速度回復を促すペースメーカーライトが設置されていたり、トンネル内では「速度回復、願います」などと声が聞こえたりします。これらは中央道の渋滞ポイント、小仏トンネル(東京都・神奈川県境)などで見られる対策ですが、今回の工事のために都夫良野トンネル向けに用意されていました。なお、都夫良野トンネルから先は順調に流れました。

 前出の通り、NEXCO中日本は今回の左ルート閉鎖にあたり、小田原厚木道路〜箱根新道や、中央道〜東富士五湖道路などへの迂回を呼び掛けていますが、今回は小田原市内や中央道の下り線も激しい渋滞が発生していました。

 とはいえ、東名下りの都夫良野トンネルや、大井松田IC付近は夜になっても渋滞していたので、時間帯によっては、こうした広域な迂回が効果を発揮しそうです。NEXCO中日本は工事期間中、ウェブサイトでリアルタイムの所要時間情報などを提供しています。