折りたたんで車載可のペダル付き電動バイク、誕生のワケ コンセプトはホンダのアレ(写真17枚)

折りたたんで車載可のペダル付き電動バイク、誕生のワケ コンセプトはホンダのアレ(写真17枚)

折りたたみ自転車に似た電動バイクという、ありそうでなかった乗りものが間もなく登場します。インターネットのクラウドファンディングで1億2000万円以上の資金調達に成功しているこの乗りもの、どのような点が人気なのでしょうか。

1台3役の小型EV? 充電は家庭用電源で

 見た目は折りたたみ自転車なのに、原付ナンバー付き、しかも電動バイクという新しい乗りものが開発されています。

 この「glafitバイク」は、自転車と同様のペダルとチェーンに加え、原動機としてモーターを搭載しており、ハンドルにはスロットルが付いています。ペダル走行、ペダルを動かさない電動走行(EVモード)のほか、ペダルとモーターの両方を動力とする「ハイブリッド走行」もできるそうです。家庭用電源で4〜5時間充電し、約45kmの走行が可能。EVモードの最高速度は33km/hです。

 開発したのは、自動車パーツなどを製造・販売する和歌山県和歌山市のベンチャー企業FINE TRADING JAPANです。サイバーエージェントグループのクラウドファンディングサービス「makuake」で2017年5月から先行予約を受け付け、7月20日には国内のクラウドファンディング史上最高の資金調達額となる1億718万円を突破。8月2日時点ではおよそ1億2300万円に達しています。なお、支援の返礼品としての「glafitバイク」の先行予約は、すでに予定台数に達しています。

 FINE TRADING JAPANの鳴海禎造社長に、開発の背景と人気の秘密を聞きました。

――なぜ「glafitバイク」を開発したのでしょうか?

 当社は5年前に「100年ビジョン」として「日本を代表する次世代乗りものメーカーになる」という目標を策定しました。そこで、自動車関連メーカー各社の由来をひも解いてみると、ホンダなどさまざまなメーカーが、初期には自転車にエンジンをつけた製品を出していたのです。このことから、その現代版として電動ハイブリッドバイクの開発を始めました。

電動アシスト自転車とはちがう「ハイブリッド走行」とは

――現時点で何台の予約があるのでしょうか?

「Makuake」の返礼品として用意したのは1000台ですが、これはすぐに予定台数に達しました。今後、ある企業と業務提携し、全国販売していく予定です。

――なぜこれほどの人気になったのでしょうか?

「ありそうでなかった」「持ち運び可能な動力付き自転車を待っていた」など、電動ハイブリッドバイクのコンセプトをよいと思っていただいている声も多いですが、弊社が東京ではなく、和歌山という地方の会社であることから応援したいという方が多いのも特徴です。地方の会社のアイディアが、クラウドファンディングという手法によって多くの支援を得て、ひとつの大きな流れになったということは、「Makuake」側からも象徴的な事例だと言われます。

――モーター走行にペダルを併用する「ハイブリッド走行」とはどのようなものでしょうか?

 たとえば電動アシスト自転車は、人間の力をモーターで補助するというものですが、それとは逆に、モーターを人間の力で補助するイメージです。これは現状の電動バイク全般に言えることなのですが、モーターのパワーが足りないため、坂道を登れない場合があるのです。そのようなときにペダルでアシストすることで失速を防ぎ、モーターへの負荷が軽減されることでバッテリーの減りも抑えることができます。

――開発に苦労した点や、こだわった点はありますでしょうか?

 現状の法律要件に合わせると、どうしてもかっこ悪くなるので、原付としての保安基準に適合させつついかに見た目をスマートにまとめるかという点に苦労しました。

直接的なヒントは「モペット」ではなく、あの原付から

 鳴海社長も挙げた、自転車にエンジンをつけたものや、ペダル付きの原付は「モペット」と総称されます。これらは古くから存在するもので、たとえば日本国内にもかつて「パタパタ」などと称されるものが数多く流通していました。しかし、「glafitバイク」のコンセプトに直接的なヒントを与えたのは、ある別の乗りものだといいます。

「ホンダが1980年代に発売した原付『モトコンポ』です。ハンドルやシートなどを折りたたむことができ、同じくホンダのコンパクトカー『シティ』のトランクに積んで、旅先で自由に行動するというコンセプトでつくられた原付でした。折りたたんで持ち運べるという『glafitバイク』のコンパクトな形も、このコンセプトがもとになっています」(鳴海社長)

 なお、「glafitバイク」を公道で走らせるには原付と同様、ナンバープレートの取得と自賠責保険への加入が必須です。ペダルで走行する場合でもヘルメットの着用が必要で、歩道は走行できないなど、原付と同様の扱いになります。

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