広島と長野にある「日本一短い県道」、どちらが日本一? その驚きの「短さ」とは

広島と長野にある「日本一短い県道」、どちらが日本一? その驚きの「短さ」とは

広島県に「日本一短い」とうたわれている県道がありますが、長野県にはこれよりも短いとされる県道が存在します。いずれも、どれほどの長さで、「日本一」はどちらなのでしょうか。

長さよりも「幅」のほうが広い!?

「日本一短い国道」は、神戸市にある国道174号で、およそ187mです。県道になるとこれよりもさらに短いのですが、実は「日本一短い県道」には、ふたつの説が存在します。

 うちひとつは、広島県呉市内にある広島県道204号安登(あと)停車場線です。JR呉線・安登駅の駅前広場から、国道185号までの区間で、長さはわずか10.5m。幅は18.7mで、長さより幅のほうが上回っているというものです。現地には地元の安浦町観光協会によって「日本一短い県道」とする案内看板が立てられています。

 広島県西部建設事務所呉支所によると、「1960(昭和35)年10月に県道に認定されていますが、そのときから現在と同じ長さです。区間は安登停車場(駅)から国道185号交点までとされています」といいます。

 観光協会が「日本一短い県道」の案内看板を立てたのは、2007(平成19)年のことだそうですが、安浦町まちづくり協議会によると「その後、“実延長”ではもっと短い県道が長野県にあることがわかり、現在ウェブサイトでは『総延長で日本一短い県道』としています」と話します。

 10.5mよりも短いとされる長野県の「日本一短い県道」は、果たしてどれほど短いのでしょうか。また、「総延長で」とは、どういう意味なのでしょうか。

長野の「日本一短い県道」…とは言い切れないワケとは

「長野にある『日本一短い県道』」とは、上田市にある長野県道162号上田停車場線です。長さはなんと7m。北陸新幹線としなの鉄道の上田駅「お城口」を出るとロータリーがありますが、そのロータリーの入口となる「上田駅お城口」交差点のうち、駅寄りに設けられた横断歩道部分が、県道162号線に当たります。ちなみにその横断歩道の長さ、つまり県道162号の幅員はおよそ20mで、こちらも幅が長さを上回っています。

 広島県道204号安登停車場線に、県道であることを示す六角形の標識はありませんでしたが、こちらにはそれどころか「日本一短い県道」といった案内看板もありません。果たして本当にその長さは7mほどしかないのでしょうか。長野県上田建設事務所に聞きました。

――県道162号線は本当に7mほどしかないのでしょうか?

 実延長としては7mです。ただし総延長としては126.4mあり、お城口交差点から国道141号と交わる中央1丁目交差点までの119.4mは、県道77号長野上田線との重複区間になっています。

――昔はもっと長かったのでしょうか?

 もともとの長さは、駅舎付近から現在のお城口交差点までの55.5mでした。1997(平成9)年の新幹線開通にあたりロータリーが整備され、ロータリー部分の48.5mが市道とされたことで現在の実延長になりました。しかしこの際、県道162号線は区間変更が行われ、中央1丁目交差点、つまり国道141号交点までの126.4mに延長されています。この経緯は不明です。

 県道や国道の重複区間は県内に数多くありますが、こうした区間では「全長の長いほうを優先する」というルールがあることから、県道77号線と162号線の重複区間については、県道77号線としています。

※ ※ ※

 このような背景から、長野県道162号線は実際には7mしかないものの、名実ともに「日本一短い県道」とは言えない状況があるようです。

 広島の安浦町まちづくり協議会からは「日本一は長野でしょう」、長野の上田建設事務所からは「いや、日本一は広島ということになるかもしれません」と、お互いにゆずり合う声が聞かれました。「日本一短い県道」にふたつの説があるのには、もっともな理由がありました。

【地図】ふたつの「日本一短い県道」の位置

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