国鉄時代に誕生した、「配給電車」ことクモル145形・クル144形。車体の大部分は屋根がなく、トラックのような荷台になっています。このクモル145形・クル144形、当初の役割を終え、もうJR西日本に1編成が残るのみです。

JR西日本に残った唯一の「配給電車」 クモル145形・クル144形

 京都鉄道博物館で2020年1月24日(金)から26日(日)にかけて、「配給電車」と呼ばれるクモル145形・クル144形の特別展示が行われました。前面は103系電車と似たデザインですが、車体の後ろがトラックのような荷台になっています。

「配給電車」とは、車両基地と車両工場のあいだで、車輪やモーターといった部品を輸送することを目的とした車両です。修繕する部品を車両工場へ運び、修繕した部品を車両基地に運んでいました。

 大型の部品の積みやすくするため、車体の大部分は屋根がないトラックの荷台のような構造になっていて、荷台の側面も下に開くことが可能。ちなみに車両形式にある「クモル」「クル」の「ル」は、配るの「る」が由来とされます(「ク」は運転台付き、「モ」はモーター付き車両の意味)。

「配給電車」クモル145形・144形 残るはこのJR西日本の1編成だけ

 クモル145形・クル144形は、旧型国電を改造した配給電車の老朽化により、国鉄時代の1979(昭和54)年から1981年(昭和56)年にかけて、101系通勤形電車を改造。大井工場(現在のJR東日本東京総合車両センター)に10編成、吹田工場(現在のJR西日本吹田総合車両所)に6編成が配置されました。

 国鉄からJRに変わってからも、部品の輸送にクモル145形・クル144形が使われていましたが、のちにトラック輸送に変更。クモル145形・クル144形は、JR東日本では2008(平成20)年までにすべて廃車され、いまではJR西日本の吹田総合車両所京都支所に配置されているクモル145形(1015)・クル144形(15)の1編成が残るのみになりました。

 唯一残った「配給電車」。現在は、吹田総合車両所京都支所内で車両の入換などに使われているようです。