中部地方で多くのパーツが製造されているボーイング787型旅客機ですが、その1000機目ぶんの主翼が、ユニーク貨物機「ドリームリフター」に載せられ、中部国際空港からアメリカに輸送されました。

ローンチカスタマーはANA 特徴的な翼は中部産

 アメリカの航空機メーカー、ボーイングと中部国際空港(セントレア)は2020年2月12日(水)、ボーイング787シリーズ1000機目に使われる主翼部分が、貨物機「ドリームリフター」へ積み込まれる様子を報道陣に公開しました。

 ボーイング787は、2009(平成21)年に初飛行した双発エンジンの旅客機で、日本ではANA(全日空)やJAL(日本航空)、2020年5月に就航予定であるJALグループLCC(格安航空会社)のZIPAIRにも導入されています。このモデルを最初に発注し、同モデルの開発を後押しした「ローンチカスタマー」はANAで、2020年2月現在、世界で最も多くの787を保有する航空会社です。

 また、同モデルのパーツの約35%が、日本の中部地域で作られるなど、日本との関わりが深いモデルでもあります。787の外観上の特徴であり、今回「ドリームリフター」へ積み込む様子が披露された「しなる主翼」もそうです。

 主翼は三菱重工業製で、同社の名古屋航空宇宙システム製作所 複合材主翼センターで造られています。三菱重工業によると、この主翼の製造にはAI(人工知能)などの最新技術を取り入れたほか、自動穴あけ機やシール塗布ロボットなどを導入、効率化が図られているといいます。

愛知産「787主翼」を運びこむのは 異形の貨物機「ドリームリフター」

 1000機目のボーイング787に使用される主翼を、三菱重工業の主翼センターから出荷した2月10日(月)には、ボーイングジャパンのウィル・シェーファー社長も同席し記念式典が開かれています。主翼はそののち、センターに隣接する東名古屋港埠頭から船で運ばれ、中部国際空港にやってきました。

 片翼あたりの幅が約27mもあるという787の主翼ですが、これを運ぶ「ドリームリフター」は、「ハイテクジャンボ」ことボーイング747-400型機をベースに、787の大型パーツ運搬用に改修されたもので、日本では中部国際空港でしか見られない機体です。「ジャンボ」の特徴であるコブ(アッパーデッキ)の後ろにさらに大きなコブがついたような、ユニークな胴体が特徴です。

 中部国際空港では、積み込み用の車両「ローダー」にも「祝・787翼 1000号機」との横断幕が貼られ、その大きな節目を祝いました。

 1000機目の787にあたるのは、シリーズのなかの最長胴モデル、ボーイング787-10型機です。その主翼を積み込んだ「ドリームリフター」は、中部国際空港を12日16時半ごろ出発しました。こののち主翼は、ボーイングのチャールストン工場(サウスカロライナ州ノースチャールストン市)へ輸送され、最終組み立て作業に供される予定です。