日本でも世界でも見かけることの多いモデル、ボーイング737は、50年以上のロングセラーシリーズで、この初期モデルは現行のものとは大きく異なるデザインでした。いつ、どういった理由でそれが変わってきたのでしょうか。

「おにぎり形」エンジンとヒレが特徴のボーイング737

 世界の空港で最もよく見かける飛行機のモデルのひとつが、ボーイング737でしょう。もちろん日本でもこのモデルは強いシェアを持っており、JAL(日本航空)やANA(全日空)だけではなく、スカイマークなどの新規系航空会社や、スプリングジャパンなどのLCC(格安航空会社)でもこのモデルを用いています。

 2020年4月現在、日本の航空会社で使用されているボーイング737は、737-800型機などのいわゆる「ネクストジェネレーション(Next Generation)」と呼ばれる第3世代のモデルで、これが日本、そして世界でも最も売れた737です。

 737の「ネクストジェネレーション」には、胴体の長さなどで分けられた4つのモデルがあるものの、共通するデザインの特徴があります。それは、正面から見たとき円形ではなく「おにぎり形」と称されることの多い、下部が地面に沿って潰れた形状になっているエンジン、そして垂直尾翼付け根の前方が魚のヒレのように伸びている「ドーサルフィン」です。

 この737シリーズ、初期モデルにあたる737-100、および-200型機の初飛行は1967(昭和42)年で、そこから世代に合わせた進化をしながら50年以上飛び続けている、世界でも屈指のロングセラー旅客機です。そしてこれらの初期モデルは、現行のものとは異なる見た目をしていました。

 初期のモデルでは、先述した現行モデルの「おにぎり形」エンジンはなく、細長いものが積まれています。そしてもうひとつの特徴である、大きなドーサルフィンがありません。

737のトレードマーク いつ、そしてなぜ備わったのか

 ボーイング737シリーズの大きな特徴のひとつともいえる、いわゆる「おにぎり形」エンジンが積まれ、ドーサルフィンができたことで、現行デザインに近づいたのが、1984(昭和59)年から航空会社に順次導入されていった737-300、-400、-500型機の第2世代機です。

 特徴的な「おにぎり形」エンジンは、主翼の位置を低く保ったまま、従来型よりも効率性や静穏性が向上し大型化したエンジンを積むために、地面との空間を確保すべく下部を変形させたがゆえの形です。大型のドーサルフィンは、第2世代で主翼、水平尾翼が大型化されるなかで、左右方向の安定性も向上させるようつけられました。

 第2世代機でその特徴的な外観を得たボーイング737は、第3世代機「ネクストジェネレーション」となる-600、-700-、-800、-900型機でも、このデザインを受け継ぎつつ、コックピットや主脚、エンジンなどのパーツ、化粧室などの客室に改修を加えます。現行の737の多くで見られる主翼先端の跳ね上がった「ウイングレット」は、この世代からオプションで付けられるようになり、少なくとも日本に導入されている737シリーズでは、一般的なものとなりました。

 そして2011(平成23)年に発表された第4世代の最新モデル737MAXでは、一層の大型化がなされた新エンジンの採用、コックピットの再設計、「ネクストジェネレーション」の一部モデルで採用された新たな客室仕様などが取り入れられました。

 とはいえ、737MAXも外観は第2世代機、そして「ネクストジェネレーション」機と共通して、「おにぎり形エンジン」とドーサルフィンが採用されており、シリーズの外観の大きな特徴は、そのまま引き継がれているといえるでしょう。

 また、胴体のベースは初期モデルから、737シリーズのひとつ前に開発された727シリーズのものを採用、これは737MAXまで引き継がれており、ここはいってしまえば「737」らしいポイントとして長年、共通する点です。

 なお737MAXは、数度の航空事故をきっかけに2020年初頭から生産、運航停止となっており、2020年5月上旬現在もその状態が続いています。5月8日(金)、ボーイングのカルフーンCEOはメディアのインタビューに対し、今月にも生産を再開する見通しであると述べました。