新型コロナの影響により大きく下がったガソリン価格が、5月のゴールデンウイーク明け以降、上昇し続けています。とりわけ8月に入り大きく値を上げた地域も。このまま「コロナ前」の水準まで逆戻りするのでしょうか。

8月第1週で大幅値上げ

 新型コロナウイルスの影響下で、いったん下落したガソリン価格が、上昇し続けています。

 資源エネルギー庁が2020年8月5日(水)に発表した石油製品価格調査結果によると、8月3日(月)時点におけるレギュラーガソリンの店頭現金小売価格の平均は、1リットルあたり134.5円。値上がりは12週連続ですが、前の週と比べて2.2円アップと、値上がり幅は直近3か月間で最も大きくなっています。

 直近の最高値は1月20日時点の151.6円、そこから新型コロナの影響が顕在化するとともに値を下げていき、5月11日に124.8円(1月20日と比べて26.8円安)の底値を記録。それから12週間を経て9.7円上がりました。

 ただ値上がり幅は地域により異なり、北海道では12週間で18.1円、東北では13.3円アップと特に顕著です。都道府県別で見ると、先週と比べて最も大きい値上がり幅を記録したのは岩手県で、一気に4.2円も上がっています。これらは5月までの値下がり幅も大きかった地域で、資源エネルギー庁の価格調査を受託している石油情報センターによると、揺り戻しの動きも見られるといいます。

 ガソリン価格の上昇原因は、世界の原油価格の上昇によるものと石油情報センターはいいます。サウジアラビアとロシアが5月から始めた石油の減産により、ダブつきが改善されていること、また世界的な経済活動再開の動きから、原油価格が上昇し続けてきたそうです。

 ただ、8月に入ってからのガソリン価格の値上がりは、別の要素も絡んでいるといいます。

値上がりの背景に産油国からの「割増金」 今後どうなる?

 石油情報センターによると、8月に入ってからのガソリン価格の大きな値上がりは、産油国の国営石油会社が、消費国の石油会社に対して7月に設定した割増金の影響だそうです。これが、8月第1週向けの石油元売り会社の卸値に反映され、前の週と比べ卸値ベースで一気に4円も上がったのだとか。

「5月の連休の頃には、産油国はむしろ割引金を設定していました。石油が余っているからいっぱい買ってほしい、という状況だったわけですが、石油の減産も功を奏し、いまやガソリン需要は95%、軽油の需要も90%回復したといわれます」(石油情報センター)

 今後もガソリン価格は上昇し続け、「コロナ前」の水準に戻ってしまうのでしょうか。石油情報センターは、「とりあえず来週(8月10日調査)は『小幅な値上がり』を予想しています」と話します。

「上がり続けていた原油価格が、直近になり若干下がってきており、石油元売りも8月第2週向けの卸値は1円下げています。とはいえ市中の価格引き上げの動きに原油価格が下がった影響が追い付かず、結果としては小幅な値上がりになるでしょう」(石油情報センター)

 原油価格が下がってきた要因は複合的です。ひとつには、新型コロナウイルス感染拡大の「第2波」ともいわれる感染者の世界的な増加、また8月から産油国が石油の減産量を緩和させたこと、さらには米中摩擦の激化や、アメリカ大統領選の影響も出てくるだろうといいます。特に「第2波」による世界経済への影響は、誰も予測できず、しばらくは世界の原油価格とガソリン価格とが綱引きをするような状況が続くのでは、とのことです。