『(500)日のサマー』マーク・ウェブ監督が語るクリス・エヴァンス、天才子役、片目の猫ー最新作『gifted/ギフテッド』インタビュー

『(500)日のサマー』マーク・ウェブ監督が語るクリス・エヴァンス、天才子役、片目の猫ー最新作『gifted/ギフテッド』インタビュー



『(500)日のサマー』で鮮烈な長編映画監督デビューを飾り、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズで大ヒットを記録したマーク・ウェブ監督が、『キャプテン・アメリカ』シリーズのクリス・エヴァンスとタッグを組んだのが、11月23日に日本公開を迎える映画『gifted/ギフテッド』だ。10月某日、約3年ぶりに来日を果たしたウェブ監督に、本作に携わった経緯や、等身大の独身男を好演したクリス、天才子役マッケナ・グレイス、そして劇中で重要な意味を持つ片目の猫などについて語ってもらった。



本作は、亡き姉の遺志を継いで、天才的な頭脳を誇る7歳の姪・メアリーに、普通の学校生活を送らせようとする独身男・フランクが、自身の母でメアリーに高等教育を与えるべきだと主張するイブリンと対立しながら、自分、そしてメアリーの人生を見つめ直す姿を描くヒューマンドラマ。クリスがフランクを、マッケナがメアリーを演じたほか、リンゼイ・ダンカンがイブリンに、オクタヴィア・スペンサーが心優しい隣人・ロバータに、ジェニー・スレイトがメアリーの担任・ボニーにふんし、物語に厚みを与えている。



(C)2017 Twentieth Century Fox

(C)2017 Twentieth Century Fox




「『アメイジング・スパイダーマン』シリーズを終えた後、映画を作り続けたいと思っていたんだ。全てがバラバラになったような気がしていたから、僕は立ち止まることを恐れていたんだよ」と振り返るウェブ監督。同シリーズについては「多くの役者や多くのスタジオの人間、そして多くのプロデューサーがいたし、さらには多くの異なる脚本が存在していたんだ。あらゆるプロセスがとてもヘヴィで、すごく複雑で、かなり政治的だったんだ」と振り返り、その言葉からは超大作に対して少なからず苦心していたことが窺える。



同シリーズに携わった後は「プレッシャーを受けることなく、自分の映画として作ることができるものを探していた」とのこと。そんな中で、トム・フリンが手掛けた本作の脚本に出会うと、「大がかりなセットや、エンドクレジット・シーン、視覚効果を用いず、多くない資金で制作できる」と感じたという。



ウェブ監督は、2人の姪っ子を持つ叔父であり、家族に数学教授やエンジニアがいる“数学一家”の中で育った過去を持つ。つまり、主人公のフランクと通じる部分が多い。「姪の一人が数学がとても得意なんだ。僕は叔父と姪っ子との間に、自分の子供よりも皮肉を言いやすい、カジュアルな関係があると思うんだけど、そこにすごく共感する」と叔父としての思いを明かすウェブ監督は、「幼くて、数学が得意な女の子を主人公にするというアイディアが気に入ったんだ」と述懐する。



(C)2017 Twentieth Century Fox

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子育てという普遍的なテーマを軸にする本作では、キャストの芝居が輝きを放つ。映画ファンには“キャプテン・アメリカ”としてのイメージが強いクリスは、本作で“等身大の独身男”を好演した。「フランクの中には痛みのようなものがあって、彼はその痛みを多くのカリスマ性や魅力で隠しているんだけど、プライベートな時間では、とてもヘヴィなものが感じられる。その姿を見るのが興味深い」と分析するウェブ監督は「クリスはとてもシンプルに演じたね」と回想。大げさでないと同時にカリスマ性が輝く芝居を「すごく高い技術だよ」と称賛しつつ、「彼との仕事を本当に楽しんだし、彼をキャスティングできてラッキーだった」と充実感に満ちた表情を見せる。



一方、圧巻の名芝居を見せたマッケナについては、「オーディションで何人かの子役とクリスに演技をしてもらったんだけど、マッケナが部屋から出て行ったときに、僕らは驚きながら顔を見合わせたよ」とニッコリ。「ユーモアを持っていて、アドリブができて、エモーショナルに泣いたり、怒りの芝居が上手な子役を探すのは難しい」としつつ、「彼女を見つけていなかったら、誰が出演していたか想像できないよ」とも。アドリブが少なくない本作ではマッケナの芝居に頼ってしまうことも多かったというが、「うまくいったと思うし、この作品ではそれが重要だったんだ」と満足げに振り返る。



(C)2017 Twentieth Century Fox

(C)2017 Twentieth Century Fox




多彩なキャストが名を連ねた本作には、可愛らしい猫も登場する。フランクやメアリーとともに暮らしている片目の猫・フレッドだ。この片目には、登場人物間に共通する“傷”が象徴されていることが読み取れるが、ウェブ監督は「イブリンやフランクは、一つの目線でしか状況を見ていないとも思う。彼らは全体を見ていないんだ」と、登場人物の視点を象徴する意味合いもあるとコメント。ただ、当初はそうしたシンボリズムを含めようと意図していなかったそうで、「本当のことを言うとね、脚本家が片目の猫を飼っていたんだよ(笑)」と白い歯を見せる。



「映画の作り手は、観客を作品に強く引き込まなければいけないんだ。人々はいつもテレビやスマホに触れているから、そうしたものから離れさせて、2時間を劇場で過ごさせることはとても難しい」。悩まし気に語るウェブ監督だが、“子供をどう育てるべきか”という普遍的なテーマと、シンプルな芝居・演出・映像が織りなす美しさが融合した本作には、観客を劇場に向かわせるだけの力が確かにある。事実として、日本公開を直前に控えた11月22日時点では、製作費700万ドルに対して世界興行収入4,100万ドルという素晴らしい成績を残しており(Box Office Mojo調べ)、批評家からの反応も上々だ。



『(500)日のサマー』『アメイジング・スパイダーマン』『アメイジング・スパイダーマン2』に続いて、最新作『gifted/ギフテッド』でも、映画監督としての手腕を発揮したウェブ監督は「もうリメイク作品に携わるつもりはないんだ」と展望を明かし、「新しい何か」を持ったオリジナル作品に対する意欲ものぞかせてくれた。果たして彼は、今後どんな作品をフィルモグラフィーに加えていくのだろうか? その映画監督としての歩みを、一映画ファンとして追っていきたい。



(取材・文・写真:岸豊)


映画『gifted/ギフテッド』

11月23日より日本公開





監督:マーク・ウェブ『(500)日のサマー』

キャスト:クリス・エヴァンス、マッケナ・グレイス、ジェニー・スレイト、リンゼイ・ダンカン、オクタヴィア・スペンサー

全米公開:4月12日

原題:gifted

配給:20世紀フォックス映画

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