施工不良問題で揺れる賃貸アパートの大手(株)レオパレス21(TSR企業コード:291293581、法人番号:3011201000900、中野区、東証1部)が、2021年3月期第1四半期(4-6月期)の連結決算で142億円の当期純損失を計上し、同期で118億円の債務超過に転落する見通しとなった。
 再延期していた2021年3月期第1四半期の決算短信は、9月30日に公表する予定。
 2020年3月期は、施工不備対応と入居率の悪化で連結売上高は4,335億5,300万円(前年同期比14.1%減)に落ち込み、最終利益は802億2,400万円の赤字(前年同期686億6,200万円の赤字)で2期連続の大幅赤字を計上していた。
 6月5日、「抜本的な事業戦略再構築の検討結果を踏まえた構造改革の実施について」を公表。約1,000名の希望退職に1,067名が応募し、決算業務に従事する従業員が想定以上に退職したため、 9月11日予定だった2021年3月期第1四半期決算発表を9月末に再延期していた。
 東京商工リサーチ(TSR)では、レオパレス21と同社グループ(以下、レオパレスグループ)と直接取引のある1次、間接取引の2次の取引先数を調査した。取引先総数は仕入先合計が2,061社(重複除く)、販売先合計は264社(重複除く)だった。
 レオパレスグループと直接取引している1次仕入先(550社)のうち、建設業が292社(構成比53.0%)と過半数を占めた。1次仕入先の本社地は、東京都131社(構成比23.8%)、大阪府44社(同8.0%)、神奈川県43社、愛知県32社、千葉県30社と、大都市圏に集中している。
 また、資本金1億円未満(個人企業を含む)の中小企業は、1次仕入先社550社のうち、506社(構成比92.0%)と9割を超えた。2次仕入先1,544社でも1,011社(同65.4%)を占め、取引先の大半は中小企業を占めている。
 施工不良問題で厳しい局面に立つレオパレス21だが、希望退職募集で社内建築士の退職が相次ぎ、施工不備への対応に暗雲が垂れ込めている。また、取引先は中小企業が多く、レオパレス21の経営再建の動向次第では、取引先だけでなく入居者への影響が広がることも懸念される。

  • 本調査は企業情報サービス(tsr-van2)の企業相関図から、レオパレス21および同社グループの仕入先、 販売先を1次(直接取引)、2次(間接取引)に分け、業種、地区、規模などを抽出、分析した。
    1次取引先は直接取引のある取引先、2次取引先は1次取引先と直接取引がある間接取引企業を示す。
    レオパレス21のほか、2020年3月期の有価証券報告書に記載されている国内連結子会社10社を対象とした。

1次仕入先の最多業種 下請先(外注先)の建設業

 レオパレスグループの取引先は、直接取引のある1次仕入先(550社)の最多が建設業の292社(構成比53.0%)だった。次いで、サービス業他81社(同14.7%)、不動産業68社(同12.3%)と続く。また、間接取引の2次仕入先(1,544社)は、最多が建築資材などを含む卸売業の580社(構成比37.5%)。以下、建設業333社(同21.5%)、印刷業を含む製造業285社(同18.4%)の順だった。
 業種別では、1次仕入先は建築工事業(75社)、一般管工事業(43社)、木造建築工事業(27社)、とび工事業(23社)、一般電気工事業(21社)が上位に並ぶ。1次仕入先は、物件施工を手掛ける下請先(外注先)が多く、小規模業者が集中している。
 販売先では、1次販売先(75社)の最多が不動産業35社(構成比46.6%)。以下、サービス業他16社(同21.3%)、建設業9社(同12.0%)と続く。2次販売先の最多は、サービス業他の49社(同25.2%)。以下、製造業41社(同21.1%)、建設業37社(同19.0%)の順。

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資本金別 1次仕入先は1億円未満が9割

 レオパレスグループの取引先を資本金別では、1次仕入先(550社)の最多が1千万円以上5千万円未満の295社(構成比53.6%)。次いで、1百万円以上5百万円未満97社(同17.6%)、5百万円以上1千万円未満54社(同9.8%)の順。資本金1億円未満の中小企業が506社で9割(同92.0%)を占めるが、1千万円未満(個人企業を含む)も173社(構成比31.4%)と、3割を数える。
 2次仕入先(1,544社)では、最多が1千万円以上5千万円未満の581社(構成比37.6%)。
 1次販売先(75社)では、1千万円以上5千万円未満の30社(構成比40.0%)。以下、1百万円以上5百万円未満が14社(同18.6%)、5百万円以上1千万円未満が12社(同16.0%)の順。1億円未満の中小企業は65社と、8割(同86.6%)を占めた。
 2次販売先は、1億円以上が120社で、6割(同61.8%)だった。

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 施工不良問題への対応遅れで注目されるレオパレス21が、2021年3月期第1四半期(4-6月期)で118億円の債務超過に転落する見通しとなった。
 経営再建に取り組むが、早期退職で決算対応の人員が退職し決算発表が再延期に追い込まれたほか、施工不良問題では社内建築士が2020年3月期中に71人退職し、不備物件で工事遅延が生じるなど、ドタバタ感がうかがえる。
 また、新型コロナウイルスによる改修工事中断など、予期せぬ影響も出ている。
 レオパレス21とそのグループの取引先は、多くが中小・零細企業が占めている。2020年3月期決算には重要事象が付記された。経営再建には、施工不良問題の解消が急務だが、社内建築士の退職が相次ぐなど足元が揺らいでおり、経営の舵取りが重要な時期を迎えている。