勝浦港「初栄丸」では、港から航程30分圏内の水深100〜150m前後を中心に40㎝のパラソル級が数まじりで絶好調!好期はまだまだ続くぞ。

ロッドテストで久々のイカ釣り、ハードな日に当たってしまったが…

「穂先はいい感じだけど、穂持ちから胴への乗り具合は…」

「リクエストで延長した部分がかえって邪魔ではないか?」

一本のロッドを3人交互に手にしながら、忌憚のない意見を交わす船上。

この日は千葉県勝浦港「初栄丸」にご協力頂きアルファタックル若手スタッフ提案の「MPGヤリイカ」試作1号機のフィールドテストに臨む。

深海だけじゃありません!実はイカ釣りは得意!

shikake_062_1587874641 「緊急事態宣言」発令前の平日、アルファタックル開発担当者とともに勝浦港「初栄丸」より好調の同沖ヤリイカへ。
 
筆者の深海釣りならぬ「イカ釣り」に違和感を感じる読者諸兄も少なからずおられるかもしれないが、ことヤリイカとはプラヅノ登場以前の黎明期からの「旧知の仲」。
 
特に東京湾口沖ノ瀬での「ヤリイカ泳がせ」に熱を上げた時期には、できるだけ短時間で必要量を確保する、ある意味シビアなスタンスで臨み、そのテクニックを「イカ釣り専門書」で公開した事もあるのだ。
 
しかし、4年前の脊柱管狭窄症手術でチタンボルトとプレートが入った腰は痛みと痺れはほぼ解消したが、長時間背を反り続けることに負担が大きく、最近では「腕に覚え」のビシアジやイサキ同様、イカ釣りも短時間しかできなくなってしまった。
 
ゆえにこの日も自身の実釣は2時間程とし、以降は船長と同行の開発スタッフが交互に使用する「一号機」を冷静な目でジックリと検証、改良点を見極めることとした。
 
この日の「初栄丸」乗船者はチームメンバー含め3人。

時節柄を踏まえた「キャビン使用不可」も含め「三密」とは無縁でテストに臨めたのは有難くもある半面、この人数でも快く出船してくれた渡辺船長には申し訳なくもある。

フォールと弛ませで 早々に本命ゲット

5時半、職漁船含む10数隻が船団に合流。

「今日は船数が少ないなぁ、普段の3分の1くらいですよ」と渡辺船長。

「あんまり上がってないようだけど…反応はあるので、どうぞ!!」の声で180mに第1投。

船宿用意のイカ投入機から150号のスカリーに引かれ、テンポよく7本ヅノが飛び出してゆく。
 
背腰への負担を極力抑える「ヤリイカでのTERUスタイル」のキーワードは「フォール」と「弛ませ」。
 
着底前10m辺りからスプールをサミングしてズルズルと落とし込み、着底後若干ラインを弛ませ、一呼吸置いてから糸フケを除いて底を切る。

ここで乗せるのが理想だが、アプローチが無ければ深呼吸の速さでロッドストロークを誘い上げ、ロッドを下げながらストローク分を巻き取り、再び誘い上げ…で数メートル上まで探ってサミングしながらフォール。

着底後若干ラインを弛ませ…を繰り返す。
 
何度目かのフォールで竿先に確かな「乗り」を確認。

ゆっくりと巻き上げ「追い乗り」を狙うがあとが続かず。

とりあえず胴長30㎝のオスイカで片目を開ける。
 
同乗二人も乗せるが、何れも単発。僚船の状況も芳しい物ではない。

連日好調の報が伝わっていた勝浦沖だが、今日は厳しい釣りになりそうだ。
 
船を回した2流し目。今度は思惑通り追い乗りし、オス1杯にメス3杯の4連。

同乗2人もダブルで取り込み、この流しはイケるかと思ったところにサバが回遊、水を差す。

冬場の「初栄丸」裏本命、丸々太った「豚野郎」なら大歓迎なのだが、この日イカ場のサバは何れもスレンダーで早々にお引き取り願う。

釣期は6月まで!まだまだチャンスあり!

「下にヤリの反応はあるけれど、サバが回って来た。ここは諦めましょう」と船団を離脱する渡辺船長。

大きく移動し水深150mで仕切り直すが、ここでも活性は低く、型を出すのがやっと。そのうちサバが回って来て…のハードタイムが続く。
 
同乗者はサバを嫌って直結仕掛けにチェンジ、サバ避けには成功したものの、肝心のイカも無反応。

これを見た渡辺船長は「14㎝のブランコにしてみて。ツノ数は少な目で」の指示を出す。

渋り時には直結より優位なブランコ仕掛のツノを14㎝にサイズアップすることでサバに飲まれ難くする作戦はある程度効果を見せたのだが、14㎝角にアプローチしたのが船中全てスルメイカという、教科書通り!?の結果に苦笑い。
 
ここで2時間が経過し筆者はリタイア。試作ロッドを船長に委ね、横からジックリと「観察」させてもらうことに。
 
この後もサバを避けながら何箇所かポイントを移動するが最後まで釣況は好転することなく、11時に納竿。

トップがヤリ11杯、スルメ6杯とエアポケットの1日となってしまった。
 
しかし、試作ロッドのチェックにはこのくらいハードな釣況の方が長所・欠点を見極め易く好ましいとも言える。

実際「思惑通り」に確認のみならず「問題点」も浮き彫りとなり「2号機」開発を早々にスタートすることができた。

ご協力頂いた渡辺船長に改めてお礼申し上げます。
 
その後、勝浦沖のヤリイカの釣況は回復し、現在も(4月20日)「初栄丸」は営業中。

トップ162杯なんて釣果もあがっている。
 
本稿執筆時点でコロナウイルス問題の先行きは見えないが、例年勝浦沖ヤリイカの釣期は5月いっぱい〜6月上旬まで続く。

まだまだ十分にチャンスがあることをお知らせしておきたい。

好釣ロングラン!勝浦沖ヤリイカ釣行レポート

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勝浦港から、航程30分圏内の水深100〜150m前後を中心に胴長40㎝のパラソル級が数まじり、好調時は束釣りも夢ではない。
 
晩春〜薫風の候に盛期を迎える千葉県勝浦沖のヤリイカは釣況にもよるが、複数回の投入が可能な「大流し」の釣りが基本だ。
 
鋭敏極める先調子の専用竿でなくとも充分に対応可能なこの釣り場のヤリイカ釣りを「大味」と感じる向きもあるかもしれない。
 
けれどその分肩肘張る必要がなく、入門者でも臆せず気軽にチャレンジでき、大釣りも可能だということが大きな魅力と言える。
 
TEAM OKAMOTOは専らアラ狙いの仕立てでお世話になる渡辺和明船長の「初栄丸」だが、ヤリイカは「夏ディープ」が開幕する6月まで続く同宿乗合船の金看板。
 
今回はアルファタックルの試作イカロッドのテストのための釣行だったが、当日は好調の谷間のエアポケットにハマって大苦戦の1日だった。

しかし、翌週は復調しトップ162杯、束釣り3名、スソで87杯の大爆釣も飛び出した。
 
現在も「三密回避」で操業中の「初栄丸」のヤリイカは好調をキープ。
 
勝浦沖のヤリイカ好期はまだまだ続くぞ。

以上の記事は「つり丸」2020年5月15日号の掲載記事です。