福岡市のホテルで長年使われてきたパイプオルガンを手がけ、惜しまれながら亡くなった世界的なオルガン職人を偲ぶ演奏会が開かれました。

ホテルのチャペルに響く重厚な音色。

フランスの世界的なオルガン職人・ダニエル・ケルンさんが手がけたパイプオルガンが、追悼の調べを奏でます。

ケルンさんはフランスとドイツの国境にあたるアルザス地方を拠点に、世界各国でオルガンの建造や修復にあたってきましたが、2019年8月、不慮の事故で亡くなりました。

【パイプオルガン職人 故 ダニエル・ケルンさん】
「いま第二鍵盤のコルネットの部分を調律しています」

2019年の1月、福岡を訪れたケルンさん。

完成以来20年にわたって新たな門出を祝福してきたオルガンの、2400本ものパイプを1本1本、自らの手で調律し直しました。

それから程なくしてもたらされた訃報に、オルガン奏者の池田泉さんも大きなショックを受けました。

【ホテル日航福岡 オルガン奏者 池田泉さん】
「このオルガンのオーバーホールでわかったちょっとした欠点を修正するにはどうしようなんてやりとりしてましたから、これはどうしようと今思っているところです」

フランスの大理石で出来たチャペルで、ドイツの楽曲を数多く奏でるこのパイプオルガンは、双方の文化をルーツに持つケルンさんだからこそ作れた楽器です。

「天国に届くというのは大げさかもしれないですけど、やはりその美しさを皆さんと共有できるコンサートになればと思っています」

11日の演奏会にはかつてチャペルで式を挙げた夫婦を含むおよそ90人が集まり、ケルンさんが残したオルガンの音色に聞き入りました。

【訪れた人】
「急に亡くなられたっていうのをお聞きして」

「追悼の意味を込めてなので、レクイエムを演奏するってだったので興味がありました」

【チャペル建設に携わった人】
「残念ですよね、なかなか誰でもできるような話じゃないですからね」

急逝したフランス人職人が心血を注いだパイプオルガン。

これからも福岡のチャペルで厳かな音色を奏で続けます。