災害が起きた際に子どもたちをどう守るかー。

3年前の九州北部豪雨で孤立状態に陥った学校の取り組みを取材しました。

◆記者
「こちら朝倉市です。横殴りの雨が叩きつけるように降っています。濁流となって流れています」

3年前、九州北部を襲った豪雨災害。

福岡県内では、山あいの集落などが甚大な被害を受け37人が死亡、いまだ2人の行方がわかっていません。

福岡県東峰村にある村立の小中一貫校・東峰学園。

村の殆どの子どもたちが通う学校で、3年前の豪雨の際校舎のすぐそばを流れる大肥川は今にも氾濫しそうになっていました。

当時、学校にいた樋口みどり教頭です。

▼樋口教頭
「当時はですね、すごいもうかなり水位も上がってきて、ここの田んぼもずらっと削られました」

こちらが当時の川の様子です。

丸太やがれきが流れ込み、昼過ぎにも関わらず、辺りは真っ暗だったといいます。

当時、学校には約130人の生徒と児童がいましたが、校舎の裏手の道路はすでに陥没。

村と繋がる唯一の橋も川の増水で渡ることができなくなり、学校は「孤立状態」に陥っていました。

▼樋口教頭
「学校の電話も使えない、電気ももう停電、私たち職員が持っているスマホや携帯も夕方には全ての会社がダメになりました」

電話による連絡手段も途絶える中、子どもたちを守るための選択肢は1つだけでした。

▼樋口教頭
「そのときの校長と、『よしもう泊めよう』と『帰せない』、これはもう子どもたちの命を守らなきゃいけないって、本当にそう決心したんです」

子供たち全員を校舎に泊めるという「異例の決断」。

避難させたのは校舎の中心に位置し、土砂災害や浸水被害に巻き込まれる恐れが最も低いと考えられた多目的教室などでした。

体育の授業で使うマットを敷き詰め、教職員を含めた170人以上がともに一晩を過ごしました。

◆樋口教頭
「子どもたちに恐怖心を持たせたくなかったので、すべてカーテンは閉めて外を見せませんでした」

当時、小学3年だった鬼丸しおりさんです。

▼鬼丸知音里さん
「一人じゃ怖いけど、みんなと一緒だから少し怖い気持ちもなくなったです」

豪雨から一夜が明け、子どもたちは全員無事に自宅に帰ることができました。

3年前の教訓を生かし、学校では新たな対策をとっています。

万が一に備えてランタンや発電機など校舎内に常備するようになったほか、大雨を想定して、危険性が高まる前に子どもたちを確実に保護者へ引き渡すための訓練を始めました。

▼樋口教頭「今まで想定外だったと思っていたことをもう想定内に考えながらやっていかなければいけないと」