【J1ピックアッププレビュー】浮上のキッカケを掴みたい“さいたまダービー”《浦和vs大宮》

5日、明治安田生命J1リーグ第20節の浦和レッズvs大宮アルディージャの“さいたまダービー”が埼玉スタジアム2002で行われる。

現在2連敗中の8位・浦和(勝ち点29)と3戦未勝利で降格圏の16位・大宮(勝ち点15)の一戦。28回目の“さいたまダービー”は、両クラブにとってこの先の戦いの大きなカギを握る戦いとなる。

◆新指揮官で臨む今季2度目のダービー
4月30日にNACK5スタジアム大宮で行われた第9節のダービーでは、8戦未勝利だった大宮がMF茨田陽生のゴールを守り切って1-0で勝利。シーズン初勝利を飾った。当時指揮を執っていた渋谷洋樹監督はその後チームを去り、伊藤彰監督が就任。伊藤監督にとっては、トップチームで初の“さいたまダービー”となる。

一方の浦和は、首位で迎えた大宮戦での敗戦を機に歯車が狂いはじめ、続く鹿島アントラーズ戦でも敗戦。アルビレックス新潟(6-1◯)、清水エスパルス(3-3△)と乗り切るも、柏レイソル(0-1●)、ジュビロ磐田(2-4●)、サガン鳥栖(1-2●)と3連敗。その後も成績が上がらず、7月29日に行われた第19節の北海道コンサドーレ札幌戦で0-2と敗れ、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の解任に踏み切った。後任の堀孝史監督にとっても、初のダービーとなる。互いに勝利を収め、残り試合へのキッカケにしたいところだ。

◆再浮上を懸けた分水嶺〜浦和レッズ〜
今の浦和の状態は、最悪と言っても良いだろう。これまでのシーズンも好調から一転、勝てない時期が続くことはあったが、今シーズンはこれまでを大きく上回るインパクトとなった。特に、守備組織の崩壊が顕著であり、負のスパイラルに入っているためか、選手のプレーにもミスが散見。まさに、どん底だった。

5シーズン半指揮を執ってきたペトロヴィッチ監督の解任の影響は少なくないだろう。戦術面ではトップチームでコーチを務めていたこともあり、堀監督でも混乱は生じないはずだが、精神面での影響が少なくない。特に、サンフレッチェ広島時代から師弟関係であったMF柏木陽介やFW李忠成、DF森脇良太、DF槙野智章(今節は出場停止)は期するものがあるはず。その思いを力に変え、ダービーでの勝利で再浮上のキッカケを掴みたいところだ。

◆史上初のシーズンダブルへ〜大宮アルディージャ〜
前回のダービーはFW興梠慎三に対してMF金澤慎をマンマークにつけるなど、守備的な戦術を敷いてシーズン初白星を挙げた大宮。ダービー勝利をキッカケに浮上したかったものの、結果は付いてこずに渋谷監督が退任。伊藤彰コーチが監督に就任した。伊藤監督就任後、チームはシステムや戦い方を変更。不発だった攻撃陣も徐々に結果を残し、リーグ戦6試合を2勝2分け2敗と勝ち点も積み上げている。

大宮にとって、このタイミングでのダービーは大きなキッカケとなるはずだ。昨シーズンの5位という成績から、定位置とまで言われる残留争いに舞い戻ってしまった今シーズン。光明が見えているだけに、残り試合に向けたキッカケを掴みたいところ。史上初のシーズンダブルを達成し、勢いづいて残留、そして1ケタ順位を目指したいところだ。

【予想スタメン&フォーメーション】
◆浦和レッズ[3-4-2-1]

(C)CWS Brains,LTD.
GK:西川周作
DF:森脇良太、遠藤航、宇賀神友弥
MF:関根貴大、柏木陽介、阿部勇樹、駒井善成
MF:武藤雄樹、ラファエル・シルバ
FW:興梠慎三
堀新監督の初陣となる“さいたまダービー”は、勝利以外目指すものはないはずだ。チームは前節の札幌戦で退場処分となった槙野、途中出場も負傷でピッチを去ったDF那須大亮が起用できない。ポルトガル1部のマリティモからブラジル人DFマウリシオ・アントニオを獲得したが、合流間もない選手をいきなり先発させるとは考えにくい。3バックの左にMF宇賀神友弥が入り、宇賀神のポジションにはMF駒井善成が入ると見る。

◆大宮アルディージャ[4-1-4-1]
(C)CWS Brains,LTD.
GK:加藤順大
DF:岩上祐三、河本裕之、菊地光将、和田拓也
MF:マルセロ・トスカーノ、横谷繁、大山啓輔、茨田陽生、大前元紀
FW:江坂任
大宮は伊藤監督就任後に採用している[4-1-4-1]で臨むだろう。メンバーも前節のヴィッセル神戸戦から大きく変えず、MF長谷川アーリアジャスールに代えてMF横谷繁が復帰するとみる。新加入でデビュー戦ゴールを記録したFWマルセロ・トスカーノは引き続き先発。試合中にトップの位置に入り、MF江坂任とポジションを変える可能性は高い。

【注目選手】
◆MF関根貴大(浦和レッズ)
Getty Images
浦和の注目選手はMF関根貴大だ。数少ない生え抜きである浦和ユース出身の関根にとって、“さいたまダービー”に懸ける思いは一入。さらに、結果が出ていない現状、監督交代と、勝利で負の要素を払拭したいはずだ。今シーズンはまだ3ゴールしか記録していないものの、サイドからの切れ味鋭いドリブルは健在。自身の良さを発揮し、ホームでのダービーを制することで、チームを再浮上させたい。

◆MF大山啓輔(大宮アルディージャ)
(C)J.LEAGUE PHOTOS
大宮の注目選手は、伊藤監督就任後、アンカーのポジションで出場を続けている大山だ。関根同様、大宮の下部組織出身の大山にとっても大事なダービーとなる。前回は途中出場、これまでダービーで先発はないものの、今回はスタメン出場が濃厚。アカデミー時代からライバル視していた浦和を相手に、自分の力でチームを発揮できるのか。持ち前の運動量と献身性でチームを救いたい。

◆読めない試合、勝利を望む気持ちが重要か
どん底のチーム状態を変えるべく、指揮官交代に踏み切った浦和。前節からの1週間で大きく変更することは考えにくく、これまでの戦い方がベースとなるだろう。一方の大宮も、前回の勝利は渋谷体制で挙げたものであり、伊藤監督にとっては初ダービー。降格圏を抜け出すためにも、伊藤監督が標榜する攻撃的なサッカーで勝利を求めるはずだ。

決して状態が良くない状況でのダービーとなるが、逆にこのタイミングでのダービーは両チームとも好都合と考えているだろう。互いにアグレッシブで、インテンシティの高いゲーム展開になるはず。今までにない好ゲームになる可能性も含まれている。シーズンの行方を左右するかもしれない一戦は、月次だが勝利への気持ちが勝敗を左右するだろう。28回目の“さいたまダービー”は、5日の19時にキックオフを迎える。

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