バイエルン前会長のウリ・ヘーネス氏は、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によるサッカー界全体の財政危機が移籍金の高騰化に歯止めをかけると考えている。『ESPN』が伝えている。

ヨーロッパを中心に猛威を振るう新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、世界各国のサッカー活動がストップを余儀なくされている。これにより、多くのクラブが財政面において多大なダメージを受けている中、ヨーロッパのビッグクラブを中心に選手やコーチングスタッフ、クラブ首脳の給与の一部放棄などの動きが目立っている。

その中でヨーロッパサッカー界の重鎮の1人であるヘーネス氏はドイツ『キッカー』で、ブンデスリーガの財政問題に言及した。

先月にドイツサッカーリーグ機構(DFL)が発表したエコノミーレポートによると、現在ドイツのプロクラブの収入はチケット収入、テレビ放映権、スポンサー収入の3つの柱によって構成されているという。そして、チケット収入が総収益の12.9パーセント、テレビ放映権、スポンサー収入が合わせて57.9パーセントを占めている。

しかし、新型コロナウイルスの影響によるサッカー活動停止によって今後大幅な収入減が見込まれている。

これらの問題に関してヘーネス氏は、今シーズンが無事再開された場合、大きな問題にはならないものの、今年中にサッカー活動が再開できない場合、ブンデスリーガの運営自体が危ぶまれると主張している。

「今シーズンが無事再開された場合、何とか問題を最小限にくい留めることができるはずだ。たとえ、無観客開催となった場合でもテレビ放映権は保証される。そうなれば、2019-20シーズンに関して致命的な問題は起こらないと思う」

「しかし、現時点で想定される最悪のケースはクリスマスの時期まで活動を再開できないことだ。その場合、リーグの存在自体が危ぶまれる」

「今回のコロナウイルスに関しては疫病のようなものであり、我々は待つことしかできない。現時点でフットボールの再開を予見する輩は山師と言わざるを得ない」

ブンデスリーガを中心に新型コロナウイルスによる様々な経済的な損失の可能性に言及した一方、ヘーネス氏は今回の財政危機によって高騰化の一途を辿る移籍金の問題が落ち着くのではないかとの持論を展開している。

「現在の状況はフットボール界において脅威と言えるが、それと同時に座標を変えていくチャンスでもあると思っている」

「明言はできないが、1憶ユーロを超える移籍金は今後数年間においては過去のものになるはずだ」

「今後、移籍金の金額は間違いなく下がるはずだ。そして、それは今後2、3年で元の水準に戻ることはない。世界各国が影響を受けており、今回の混乱が収まった後には新たなフットボールの世界が生まれるはずだ」