世界中で休むことなく紡がれ続けてきたフットボールの歴史の中で今日何が起こったのか。本日4月30日の出来事を振り返ってみよう。

今回ピックアップするのは2017年4月30日。プレミアリーグ第35節、旧本拠地であるホワイト・ハート・レーンで行われた、アーセナル相手の最後のノース・ロンドン・ダービーでトッテナムが見せた勝利だ。

◆変わり始めたパワーバランス

イングランドでも有数のダービーマッチの一つであるアーセナルとトッテナムの“ノース・ロンドン・ダービー"。ファン同士のライバル意識はとても高いが、歴史的に見るとアーセナルがトッテナムよりも常に優位に立ってきていた。

それは獲得トロフィーの数やリーグ順位にも現れており、特にリーグ順位に関しては、当時アーセナルが21シーズン連続でトッテナムより上位でフィニッシュしていた。これを受け、アーセナルファンの間では、毎年トッテナムよりもリーグの上位のフィニッシュが確定した日を「St. Totteringham's Day(Totteringhamとは“Tottenham"と「不安定」を意味する“tottering"を合わせた造語)」と呼び、ファンの中での“記念日"に制定。トッテナムファンをいじるお決まりのネタと化していた。

しかし、長く続いたアーセン・ヴェンゲル体制の終盤、アーセナルが低迷期に入った一方で、トッテナムは、マウリシオ・ポチェッティーノ監督が才能ある若手を率いて、勢いをつけており、両クラブ間のパワーバランスに変化が生じ始めていた。

この試合が行われた時点でも、トッテナムは直近のノース・ロンドン・ダービーで5試合負けなし(1勝4分)であった。またリーグでも、2位を走るトッテナムに対しアーセナルは5位。この試合でトッテナムが勝利すれば、21年ぶりのアーセナルよりも上位のフィニッシュが確定するという重要な一戦となっていた。

◆歴史あるスタジアムでの最後のダービー

新スタジアムの建設が決まっていたトッテナム。この試合が、ホワイト・ハート・レーンで行われる最後のノース・ロンドン・ダービーだった。

伝統あるホームでの最後のダービーということもあり、トッテナムファンの応援にはいつにも増して熱が入り、スタジアムはこれぞイングランドフットボールという素晴らしい雰囲気に。この声援に応えるかのように、トッテナムが前半からプレッシャーをかけ続け、一方のアーセナルは終始押し込まれる展開となった。

それでも前半は、トッテナムが度重なるチャンスを作るものの、あと一歩が足りず、0-0で折り返すことに。しかし、後半も高いインテンシティをキープしたトッテナムが、ついにアーセナルディフェンスをこじ開けた。

55分、味方のロングボールをFWハリー・ケインが相手陣地で収めると、MFデレ・アリへパス。アリはそのままドリブル突破し、ボックス内まで侵入するとMFクリスティアン・エリクセンに落とす。エリクセンのシュートはアーセナルGKペトル・チェフにブロックされるも、こぼれ球にいち早く反応したデレ・アリが押し込み、トッテナムが先制した。

リードを奪い勢いを増したトッテナムは、その3分後の58分、再びアーセナルのボックス内まで攻め入ると、ケインがDFガブリエウに倒されPKを獲得。これをケインが落ち着いて決め、2-0に。

その後もリードを守ったトッテナムが勝利し、プレミアリーグ開幕以来初の、ダービーマッチで6戦負けなしとした。

◆「St. Totteringham's Day Cancelled」