恋愛ドラマのイメージが強く、一般的には女性ファンが多い韓国ドラマ。しかし、社会派ドラマや、SFファンタジー、サスペンスなど、実は男性も夢中になれる作品が多い。今回は、おうち時間に、夫婦やカップルで一緒に盛り上がれる、テーマ&ストーリー性の高い傑作韓国ドラマ5作品を紹介。

■「ピノキオ」(2014年 / 韓国)
韓流ドラマならではのラブストーリーも織り込みつつ、報道という視点から、韓国の社会構造に切り込んでいく社会派ドラマ。新韓流四天王の1人、イ・ジョンソク(現在兵役中)と、「美男<イケメン>ですね」「相続者たち」のパク・シネが主演。「君の声が聞こえる」の演出・脚本コンビで、2014年SBS演技大賞5冠を受賞した作品だ。

■あらすじ
幼い頃、あるマスコミ報道のせいで家族を失ったハミョン(イ・ジョンソク)は、ある老人に命を助けられ、老人の息子と孫娘のイナ(パク・シネ)と一緒に育つ。同じ年のイナは、嘘をつくとしゃっくりが止まらなくなる、ピノキオ症候群。母へのあこがれから、テレビ局の記者を志すが、ピノキオ症候群の人間は記者になれないと言われる。そんななか、ハミョンはイナとともにテレビ記者を目指すことに…。

■みどころ
面白いのは、ヒロインの「ピノキオ症候群」という設定。これは、このドラマのための架空の病気なのだが、「嘘をつくとすぐにばれてしまうため、人々はピノキオ症候群の人を100%信じてしまう」という民衆の先入観が、物語の要所で効いてくる。私たちが「真実」と思い込みがちな報道、それが意図的に作られているとしたら…。数々の伏線がラストに向けて、集約されていく展開は見事。主人公たちが悩みながらも、“見たいニュースと見るべきニュース”という報道の基本理念に、正面から立ち向う姿に、毎回胸が熱くなる。

「ピノキオ」(2014年 / 韓国)
演出: チョ・スウォン 脚本: パク・ヘリョン 出演: イ・ジョンソク、パク・シネ、キム・ヨングァン、イ・ユビ / 全20話 / 発売元: カルチュア・パブリッシャーズ 販売元: TCエンタテインメント
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■「W−君と僕の世界−」(2016年 / 韓国)
マンガの中に迷い込んだヒロインと、マンガの中の理想のヒーロー。2人が出会うことで、展開していく予測不能なストーリーには、少女マンガ的なときめきと、青年マンガ的スリルが満載。2016年MBC演技大賞の7冠を達成したファンタジードラマだ。

■あらすじ
研修医のオ・ヨンジュ(ハン・ヒョジュ)は、ある日、マンガ家の父親が描いた人気ウェブマンガ「W(ダブリュー)」の世界に入り込み、そこで何者かに襲われた主人公カン・チョル(イ・ジョンソク)の命を救う。それ以来、現実とマンガの世界を行き来するようになったヨンジュは、次第にチョルに恋心を抱くように。一方、チョルは、突然消えたり現れたりする謎の女性ヨンジュの正体を探るうちに、自分がマンガの主人公であるという事実を知ってしまう。

■みどころ
チョルは、元オリンピック射撃の金メダリストで、過去に家族を惨殺され、犯人の濡れ衣を着せられながらも、今ではベンチャー事業で成功を収める青年実業家。一方、ヒロインは、チョルを主人公にしたマンガ原作者の娘。現実の世界からやってきたヒロインに出会うことで、マンガのキャラクターであるチョルが自我に目覚め、作者の意図を超えたところで、チョルの家族惨殺事件の真犯人に迫っていくという展開が斬新。次々と書き換わっていくマンガの展開と、2人の恋の行方にも注目だ。

「W−君と僕の世界−」(2016年 / 韓国)
演出: チョン・デユン、パク・スンウ 脚本: ソン・ジェジョン 出演: イ・ジョンソク、ハン・ヒョジュ、イ・テファン(5urprise)、チョン・ユジン / 全24話 / 発売・販売元: NBCユニバーサル・エンターテイメント
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■「ミセン-未⽣-」(2014年 / 韓国)
全世代の共感を呼び、社会現象を巻き起こしたヒューマンドラマの傑作。2014年の名立たるドラマ賞を総なめし、日本でも2016年に「HOPE〜期待ゼロの新入社員〜」というタイトルでリメイクされた。原作は、韓国でサラリーマンのバイブルと称された同名WEBコミックなのだが、そこに描かれるサラリーマンの悲哀は日韓共通。登場人物たちのささやかなエピソードがいちいち胸に響く。

■あらすじ
主人公チャン・グレは、幼い頃から囲碁のプロ棋士を目指し、将来を有望視されていたが、父の死をきっかけに断念。母のつてで、大手総合商社にインターンとして働き始める。26歳にもかかわらず、大学にも行かず、囲碁とバイトにあけくれていたグレは、同期からも遅れをとり、何かと浮いた存在。しかし、営業3課のオ課長やキム代理のもと、囲碁で培った洞察力と勉強熱心さをいかし、なんとか2年間の契約社員として採用される。

■みどころ
学歴社会的には落ちこぼれの主人公グレの視点を通して、韓国の過酷な就職事情と、時に理不尽なサラリーマン社会が描かれる本作。グレと同期の新入社員3人をはじめ、彼らをとりまく先輩社員や上司のバックグラウンドまでもが丁寧に描かれていて、きっと誰もが登場人物の誰かに共感できてしまうはず。特筆すべきは、グレの上司、オ課長(イ・ソンミン)の魅力的なキャラクター。有能なのに世渡りが下手で、ちっぽけな意地と正義感ゆえにいつまでも出世できないオ課長の不器用な生きざまには、多くの中間管理職世代が勇気をもらえそう。

「ミセン-未⽣-」(2014年 / 韓国)
演出: キム・ウォンソク 脚本: チョン・ユンジョン 出演: イム・シワン、カン・ソラ、カン・ハヌル、ピョン・ヨハン、イ・ソンミン / 全20話 / 発売・販売元: エスピーオー
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■「シグナル」(2016年 / 韓国)
韓国のゴールデン・グルーブ賞とも言われる“百想芸術大賞”をはじめ、2016年のドラマ賞で9冠を受賞し、「韓国ドラマの歴史を変えた」と話題になった作品。緻密な脚本を、「ミセン / 未生」の演出家が、深い人間描写とクオリティの高い映像で演出。刑事モノ、ファンタジー、ヒューマンドラマが融合した見ごたえあるドラマだ

■あらすじ
警察のプロファイラー、パク・へヨンは、ある日偶然見つけた古びた無線機を通して、15年前、ある連続殺人事件を追っていた刑事イ・ジェハンと交信を始める。ヘヨンが告げた、被害者の情報がきっかけで、連続殺人事件の1つを未然に防ぐジェハン。ジェハンとの交信後、過去が変わったことに気づいたヘヨンは、やがて、ジェハンが15年前、失踪したままであることを知る。一方、長期未解決事件専門チームのリーダーでヘヨンの上司、チャ・スヒョンは、失踪した先輩刑事ジェハンへの想いを胸に、彼の行方を追っていた。

■みどころ
現在と過去に生きる刑事が、1つの無線機を通して繋がり、ともに力を合わせて未解決連続事件を追っていくという、もろSFなストーリーながら、描かれているのはどこまでもリアルな刑事たちのドラマ。正直、最初の2話で、物語が終わってもおかしくないほどの濃密さなのだが、そのテンションと物語の厚みが最後の16話まで持続するという驚異の脚本力にうなる。イ・ジェフン、キム・ヘス、チョ・ジヌンという実力派俳優の演技も圧巻。面白すぎて、観終わるのが、惜しくなるほどの本格サスペンスだ。

「シグナル」(2016年 / 韓国)
演出: キム・ウォンソク 脚本: キム・ウニ 出演: イ・ジェフン、キム・ヘス、チョ・ジヌン / 全16話 / 発売・販売元: エスピーオー
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■「マッド・ドッグ〜失われた愛を求めて〜」(2017年 / 韓国)
映画「オールド・ボーイ」など韓国を代表する演技派俳優として日本でも人気が高いユ・ジテと、若手俳優ウ・ドファンが共演。悪質な保険金詐欺を、法律すれすれのところで暴いていく衝撃の社会派クライム・サスペンス。

■あらすじ
大手保険会社「テヤン生命」に勤めるチェ・ガンウ(ユ・ジテ)は、ある飛行機墜落事故で妻と息子を亡くす。事故は副操縦士が保険金目当てで故意に起こしたものだと公表され、失意の中、会社を去ったガンウは、私設保険調査チーム「マッド・ドッグ」を結成。あらゆる手段を用いて悪質な保険金詐欺の摘発に執念を燃やしていた。そんな彼の前に現れたのは、ミンジュン(ウ・ドファン)という謎の青年。彼の正体は、なんと飛行機事故を引き起こした副操縦士の弟だった。

■みどころ
物語の要となる飛行機墜落事故のシーンは、海外ドラマも顔負けのスケール。被害者の家族と、加害者の弟という因縁の男2人が、初めは衝突しながらも、やがて力を合わせて、飛行機事故に隠された重大な秘密を暴いていくというドラマティックな展開にしびれる。また「マッド・ドッグ」のメンバーたちのスパイ顔負けの調査員ぶりも見もの。思いがけない方法と捨て身の覚悟で、巨悪に挑む彼らの活躍に手に汗にぎる。

「マッド・ドッグ〜失われた愛を求めて〜」(2017年 / 韓国)
演出: ファン・ウィギョン 脚本: キム・スジン 出演: ユ・ジテ、ウ・ドファン、リュ・ファヨン、チョ・ジェユン、キム・ヘソン / 全20話 / 発売元: インタラクティブメディアミックス 販売元: JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
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