隣接する鳥取・賀露港など鳥取県の港で水揚げされたカニを中心に、海や川に住む160種の生き物を紹介する「とっとり賀露かにっこ館」。見て・触れて・体験して、楽しみながら各生物の生体が学べる小さな水族館だ。

水族館としては小規模かもしれないが、あなどるなかれ! カニの展示室ではユニークなクイズが出題されていたり、スタッフによるユーモアあふれる解説が水槽に書き添えられているなど、子供から大人まで楽しめる充実の内容。入館料は無料なので、海水浴や海鮮市場などの周辺施設とともに楽しむ、観光コースに加えておきたい。そんな、とっとり賀露かにっこ館の魅力を紹介しよう!

※記事内で紹介している展示やアトラクション、イベント、施設等は、休止・中止または内容が変更になっている場合があります。ご注意ください。

■【見どころ1】海の仲間たちと触れ合ったり、鳥取の魚を観察
メインエントランスから入ってすぐの水槽は、小さな海洋生物と触れ合える「ふれあい水槽」。ヤドカリやカニ、ヒトデ、ウニなどを実際に手のひらに乗せて観察できるので、子供たちに大人気のコーナーだ。

「カニはどんなふうに持てばいいのかご存知でしょうか? ヒトデがどんなふうに歩いたり動いたりするのか、優しく手に取ってご覧ください」と広報の芝田さん。観察したあとは生き物をもとの水槽へそっと戻してあげよう。異なる水槽へ入れると他の生き物に食べられる危険があるので、気をつけて。

ふれあい水槽の隣には「鳥取の魚水槽」があり、マダイやヒラメ、キジハタ、カサゴ、アカエイなど鳥取の海に棲む約60匹の魚が泳ぐのを観察できる。

この水槽では、5〜10月の土・日・祝15時30分〜餌やり体験(1回税込100円)を開催。お気に入りの魚が食べてくれるかドキドキ!
※2020年6月現在、ふれあい水槽、餌やり体験ともに新型コロナウイルス感染拡大症防止のため休止中。

同スペースにある企画展示「マンスリー水槽」も見逃せない。季節によって展示される生き物が変わり、現在は“ステイホーム”をお得意とする鳥取県産のマアナゴとアオハタの子供を紹介中。

冬になるとクリスマスにちなんで、真っ赤なボディと白いひげや脚のコントラストが美しい通称サンタエビ(別名ホワイトソックス、和名シロボシアカモエビ)などが登場する。なにが観察できるかは、入館してからのお楽しみ!

■【見どころ2】ギネス世界記録に認定されたカニも!愉快なカニの仲間を紹介
いよいよ「とっとり賀露かにっこ館」の主役ともいうべきカニの展示スペースへ。注目を集めているのは、2018年11月に鳥取港で水揚げされ、200万円で落札された松葉ガニだ。

当時、「競りで落札された最も高額なカニ」としてギネス世界記録に認定された(のちに500万円のカニが記録更新)。甲羅幅14.6センチ、重さ1.28キロで鳥取県産の最高級ブランド「特選とっとり松葉がに五輝星(いつきぼし)」にも認定されたこのカニは、現在も来館者に元気な姿を見せている。

なぜ、カニ好きにとってかなりおいしそうなこのカニが、小さな水族館の奥で大切に育てられて健在なのか!? 気になる人は、水槽前に驚きの理由が説明されているのでチェック!

鳥取県特産松葉ガニが生息する水深200〜300メートル・水温3℃の深海を再現した「松葉がに牧場」をはじめ、丸くてかわいい姿なのに毒を持つスベスベマンジュウガニや、普段は山や田畑で暮らすアカテガニ、巨大な姿が迫力満点のタカアシガニなど、さまざまな海域で生息する約25種のカニの仲間たちも必見!

展示スペースは「かくれんぼの天才」や「大きさ比べ」「いろんなカニ」などコーナーごとにカニを紹介しているので、興味を惹かれるコーナーから巡ってみよう。

芝田さんが教えてくれたカニ展示のユニークなポイントを紹介。「水槽ごとに『かにっこクイズ』を出題しているので、ぜひチャレンジしてみてください。例えば【昔話『さるかに合戦』のお話はウソ? ホント!? 実際のカニでも正しいのはどっち? <1>カニも柿を食べる <2>カニは木に登れない】 さぁ、お分かりになりますか?」

ちょっと個性的なクイズを解きながら、いろいろなカニの生態について学ぼう。クイズの答えは問題パネルの裏に書かれているので、その場で正解が分かる。

■【見どころ3】ユニークな解説や展示方法で飽きさせない!
館内では各水槽に表示された解説も個性的なので、しっかり読んでおきたい。芝田さんによると、「お客様に楽しんでもらおうと、スタッフが解説プレートを手作りしております」とのこと。カウンター上に設置された「カサゴ」と「ウッカリカサゴ」が泳ぐ水槽を見てみよう。「ソ連(現ロシア)の学者が新種として発表した長崎県産のカサゴの仲間を、普通のカサゴだと思ってうっかりしていたという、日本の学者の気持ちに由来」と、ウッカリカサゴの名前の解説が。どの水槽でもクスッと笑えたり、ビックリさせられる内容ばかり!

また、アイデアの詰まった展示方法も好評。静岡県沼津市戸田に伝わるタカアシガニの甲羅を用いた魔除けや厄除けのお守りにならい、「コロナ禍」早期収束を祈願するタカアシガニの子供が入った水槽が登場した。ジャノメガザミやベニイシガニなど4種のワタリガニの仲間が入居する、アパートに見立てた水槽も目を引く。長〜いウツボが、カラフルなパイプにクネクネと入っていく様子が観察できる仕掛けや、カブトガニの剥製、全長約2.7メートルのタカアシガニのはく製展示も押さえておこう。

さらにこの水族館では、カウンター越しにちらっと「バックヤード」を覗けるのもポイント。バックヤードでは、これから水族館にデビューする生き物の飼育や病気の治療が行われている。

そして、バックヤードを覗けるカウンターの近くには「捨てられたペット」のコーナーも。かつてペットとして好まれた通称ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)だが、大きくなると体長30cmにもなり寿命も長いため捨てる人が増えた。本来アメリカなどに棲息するカメだが、現在、日本各地で大量に野生化し、生態系への深刻な問題を引き起こしていることから駆除も行われている。そんなミドリガメをここに展示することで、ペットに対する責任や生き物の大切さを伝えているのだ。

■【イベント】子供連れにおすすめのイベントや設備
「生き物を見たり触れたりしたあとは、常設の『ぬりえ』や『折り紙』でも遊んでいただけますよ」と芝田さん。休日には「体験実習室」で、缶バッジ作りや貝殻のストラップ作りなど、工作や体験イベントも開催されている。

館内には「ベビーコーナー」もあり、屋外には5〜10月まで小さな波の出るプールも登場する(気象条件により閉鎖の場合あり)ので、小さな子供連れや家族旅行の際に立ち寄るのにもぴったり。

※2020年6月現在、イベント・ベビーコーナー・プールは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため休止中。

■【アクセス】港町・賀露の魅力を堪能しよう!
芝田さんに館の魅力を改めて聞いた。

「海や川の生き物に親しみを持っていただければと、展示方法もいろいろと工夫しています。普段はおいしく食べている身近な魚やカニについて、新たな魅力を発見できるかもしれませんよ。館内『ミニミュージアムショップ』ではかわいい海の仲間たちのグッズを販売しているほか、近隣には海鮮市場や鳥取県の特産品がそろう直売所などもあるので、お土産選びや晩ご飯のお買い物もお楽しみいただけます。どうぞ港町・賀露の1日をご満喫ください」

簡単に見学するだけなら30分程度、じっくり生き物を見てクイズを解いたり、触れ合ったり、体験をすれば、家族で心ゆくまで遊べそう。

開館時間は9時00分〜17時00分(最終入館16時45分)、休館日は火曜(祝日の場合は翌平日)。
※3月24日〜4月8日、7月20日〜8月31日及び12月24日〜1月8日は毎日開館 ※2020年6月現在、新型コロナウイルス感染拡大症防止のため、館内人数50名までの入場制限を実施中。

かにっこ館ではオリジナルLINEスタンプ24種(税込120円)も発売中。カニや海の生き物の名前にかけたひと言がかわいくて使いやすい。LINEスタンプショップでゲットできるぞ!

車利用なら、鳥取砂丘コナン空港より約5分、鳥取自動車道鳥取IC、JR鳥取駅より約20分。乗用車276台収容可能の無料駐車場があるので便利。また公共交通機関の場合は、JR鳥取駅より日ノ丸バス賀露循環線を利用し「かにっこ館前」で下車。


■【新型コロナウイルス感染拡大予防対策】
・館内の混雑状況によっては入館制限を実施いたします。
・マスクの着用をお願いします。
・発熱や咳のある方は、入館をご遠慮ください。
・出入口に設置しているアルコールで手指の消毒をお願いします。
・他のお客様とは、2m以上の間隔を保つようにお願いします。

取材・文=藤田房子

※新型コロナウイルス(COVID-19)感染症拡大防止にご配慮のうえおでかけください。マスク着用、3密(密閉、密集、密接)回避、ソーシャルディスタンスの確保、咳エチケットの遵守を心がけましょう。

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。

※2020年5月時点の情報です。