オンライン会議サービス「ZOOM」を通して人気酒蔵の蔵元とともに日本酒のオンラインテイスティングが楽しめる「SAKE(日本酒)x NOMY(学)」VOL.11が6月28日(日)に開催され、人気銘柄「山の井」をはじめとする同蔵の日本酒の魅力や楽しみ方が語られた。

毎回異なる日本酒の蔵元をゲストに招き、蔵の歴史やエピソード、日本酒造りの哲学などの話を聞くことができる同イベント。参加者には事前に蔵元自慢の日本酒が届けられ、代表銘柄や普段は味わえないような日本酒を自宅で味わえることでも人気だ。

第11回目のゲストには、「山の井」などで知られる福島県・会津酒造の渡部景大さんが登場し、定番の「山の井60」、純米大吟醸「山の井50」に加え、地元・福島県限定の「会津 純米大吟醸」の3本をテイスティングした。

「山の井」ブランドのうち、通年で販売されているスタンダードな「山の井60」のコンセプトについて「どちらかと言えば、ずっと飽きずに揉み続けられる酒。普段着でしっぽりと飲める酒にしたかった」と話す渡部さん。さらに、日本酒の楽しみ方の1つでもある熟成をあえて避け、時間とともに生じる酒質の変化を少なくすることも目指したと言う。「香りよりは味わいを楽しんでもらいたいので、柔らかく全体にしみわたってくれるような飲み口(が広く)ふくよかな形の器の方が合うと思う」と山の井60にぴったりの酒器も教えてくれた。

イベントMCのレイチェル・チャンさんから、山の井60と相性のいい食べ物を聞かれると、渡部さんは「コンビニに売っているような枝豆チップスと合わせるのが個人的に好きです」と回答。「日本酒では渋みは敬遠されがちですが、(山の井60には)いい意味での渋みを少し加えているので、枝豆チップスとの味わいのバランスがいいかなと」と、蔵元ならではの目線でオススメのペアリングを教えてくれた。

また、今回参加者に送られた「会津 純米大吟醸」は、今年の福島県の鑑評会に出品したタンクのもので、さらに通常は二回火入れのところを一回のみの火入れで瓶詰めした一本。「山の井 50」も今年は新型コロナウイルス感染症の影響で販売を行っていない非売品ということで、通常は手にすることのできない貴重な味わいを楽しむ、イベントならではの醍醐味もあった。

イベント内ではこのほか、温度変化の楽しみ方や、冬季には気温マイナス20度にもなる南会津ならではの酒造りのポイントが語られたほか、渡部さんの手持ちカメラによるオンライン酒蔵見学も行われた。また、ZOOMの機能を利用し視聴者からも多くの質問が寄せられた。

最後に渡部さんが「今以上によりよいおいしいお酒を造っていきたいですし、日本酒業界全体がみなさんに親近感を持っていただけるようどう活動したらいいか、また普段から日本酒を飲んでいただいている方に何か恩返しできないか考えていきたい」と今後の酒造りへの意気込みを語り、盛りだくさんの内容となった90分のオンラインイベントは終了した。

日本酒好きはもちろん、これからもっと日本酒を楽しみたいと思う人にもぴったりな同イベント。7月5日(日)には「富久長」今田酒造本店の今田美穂さんと「遊穂」御祖酒造の藤田美穂さん、両女性蔵元による対談形式のVOL.12が開催予定だ。