併走するクルマへの目潰しでしかないのにナゼやる? 斜め後ろに「白色ライト」を点灯して走行するトラックは法令違反だった!!

この記事をまとめると

■車両のライトは本来、夜間のドライブの安全確保にかかせないもの

■最近は斜め後方に向かってライトを照らすトラックをときおり目にする

■周囲を幻惑するトラックが存在する理由について解説

眩しいライトを後ろに向けるトラックが存在する理由とは?

 最近、夜間にクルマを運転していて眩しいという思いをすることが多くなってきた。対向車や後続車のヘッドライトが明るすぎたり光軸がズレていたり、ハイビームのまま走っていたり、と理由はさまざまだが眩しいクルマが多い。

 さらに最近は、前走車でも眩しいクルマが増えてきた。以前は前走車で眩しいクルマといえば、リヤフォグランプを晴天時にも点灯しているクルマぐらいだったが、トラックのなかには斜め後方に向かってライトを照らしている超眩しいクルマも見かけるようになった。一体なんのためなのだろうか。

 このライトは作業灯で、夜間の積み込み積み下ろしなどの際に荷台周辺の視界を確保して作業の安全や積み忘れなどを防ぐために装備されるものだ。つまり、走行中には使用しないランプとして搭載が許されている装備である。

 重機運搬車などのトレーラーやレッカー車などでも積み込み用として、荷台前部の鳥居に作業灯を装備しているクルマもいるが、これらはランプを点けっぱなしにして走行しているケースを見かけたことはない。

路肩灯を点灯して走行するのは法令違反

 路肩灯という名称で左折巻き込みを防止として、夜間の後方視界を確保するために用いられるという見方もあるが、どちらにせよ夜間後方に白色のライトを照らしながら走行するのは法令違反だ。

 車体の後部、リヤタイヤ周辺の確認がしやすいことから安全性を高めるために走行中も点灯しているトラッカーもいるようだが、これは自分だけが安全(安心する)になるだけで、後方のドライバーにとっては目潰し攻撃以外の何者でもない。

 前述したように作業灯は夜間の作業に必要な装備であり、作業中は点灯させなければ積み忘れや事故などを起こす可能性もある。しかし、走行中に点灯させるのは、周囲のドライバーを幻惑することになり、事故を誘発する原因となる。

 ドライブレコーダーに記録されていれば、車両が接触していなくても責任を問われる可能性もある行為だ。それなのになぜ、こんな行動をとるのかといえば、自分の後方視界を確保したいがためだけであろう。

 これは自転車の逆走同様、取り締まりが甘いことが原因のひとつと考えられる。無灯火の自転車やクルマも非常に危険だが、こうした違法点灯のクルマも罰則が軽いからと軽視せず、警察はキチンと取り締まってほしいものだ。交通違反切符を切るとか、検挙するのではなく、パトカーからスピーカーで注意するだけでも十分に抑止力になるはずだが、そうした場面には遭遇したことがない。

 トラッカーの社会的地位が低いといわれるのも、こうした周囲のドライバーへの配慮不足もひとつの原因となる。真面目に仕事しているトラッカーが大部分だけに、一番迷惑を被っているのはトラッカーだともいえる。

 トラッカーひとりひとりの行動が、社会でのイメージを確立していく。残念なことにこうした責任感を感じていないトラッカーがまだいるのも事実。物流体制が崩壊する前に、さまざまな角度から対策していく必要がありそうだ。