【公道試乗】新型スバル・レヴォーグでアイサイト・ツーリングアシストを試した

【公道試乗】新型スバル・レヴォーグでアイサイト・ツーリングアシストを試した

ステアリングのアシストが滑らかで違和感なし

 先日、JARIの城里テストコースにて試してリポートした最新型アイサイト「ツーリングアシスト」。じつは六本木ヒルズのサウスタワー前で、8月11日から一般向けの公道試乗会(https://www.subaru.jp/lifeactive/programs/eyesight_shijo_2017/)が実施されるのだが、その取材に伺ったところ、短い時間ではあるが試乗することができた。もし皆さん自身でその実力を把握したいと思ったら、事前にネットで申し込みをするか、また平日であれば、飛び込み参加ができる可能性も……ということなので、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。

 さて、まずは試乗した結果からお伝えしよう。若干気になる要素はあるものの、この価格で、これだけ完成度の高い運転支援システムは、世界中を見渡しても絶対にない!

 まず特筆したいのは操作性の良さだ。メルセデス・ベンツSクラスは、先日のマイナーチェンジにおいて、運転支援システムの操作レバーをアイサイトと同様に、ハンドル備え付けのスイッチに切り替えてきた。状況に合わせた車間距離調整など「使いこなす」ことを考えると、各種スイッチはハンドルにあったほうが使いやすいと考えたのだろう。僕も同じように感じている。

 またツーリングアシストは表示がわかりやすいところもいい。今前走車を捉えているのか? 両方の白線を読み取っているのか? 片方の白線しか読み取っていないのか? など、そのときにクルマがセンシングしている状況がハッキリわかるようになっている。これによって、運転支援への信頼度が上がり、同時に安心感も高まるというわけだ。

 そして肝心の運転支援システム制御の精度だが、すでに先日のテストコース試乗で述べたとおり、一般道で試してみても、その実力は非常に高い。アクセルやブレーキに対するスムースな制御はもちろんのこと、ハンドルの制御もとてもなめらか。

 首都高速では実際の交通の流れに乗って走っていると0.2Gを超えて曲がるようなカーブがあり、そこでは当然、ハンドルに指を添えているだけでは曲がりきれず、ドライバー主導で曲がるしかない。しかしそういったドライバー操作に対しての制御の違和感がほぼ皆無なので、気持ちよく運転できるのだ。もちろん、新東名など緩やかなカーブ主体の高速道路では、ほぼクルマ任せで運転できるようなレベルの制御内容であることも付け加えておこう。

 またこのツーリングアシストから、ハンドルアシストが全車速対応になった。以前も60㎞/h以上ではアシストがあったが、それが停止状態まで対応するようになった。つまり渋滞走行にも対応するわけだが、それによる肉体的疲労度軽減は当然として、精神的疲労度の軽減にも貢献する。速度にかかわらず、絶えず支援があるので、慢性的に得られる安心感が違うと言うわけだ。

渋滞中は車間距離設定を長めに設定したほうが良い

 ちなみに細かい話だが、渋滞中、ゆっくりとした速度で車線変更してきたクルマに割り込まれるような状況には的確に対応。しかし急な割り込みや、真横からの幅寄せ的なマナーの悪い割り込みには対応が間に合わない。さらに言うと、渋滞中に車間距離を短くセットしていると、白線が前走車の影に隠れ、見落としがちになる。もちろん白線だけでなく前走車を基軸にハンドルアシストが機能するので、仮に白線を見落としても大丈夫なのだが、白線読み取り率を上げて高い精度で走りたいなら、渋滞中は車間距離設定を長めにしたほうが良いだろう。

 もちろん、ドライバーがハンドルを保持している力が弱く、一定時間過ぎたとき……、ハンドルを急激に操作しようとしたとき……、さらにはウインカーを出したときなどは、ハンドルアシストがキャンセルされる。このあたりの制御もより実践向きに調整されており、違和感はない。画像認識の成熟のために4万5000㎞、各制御内容等の煮詰を含めて合計10万㎞以上の実走テストを行なったうえで、商品化してきたと言うだけの中身になっている。

 一方で気になる要素は、ステレオカメラ方式を使うシステムの弱点とも言える部分にある。極端な悪天候での制御の不安さは仕方ないが、停止車両に対する距離把握能力が、ミリ波レーダー方式と比べると低い。それが影響する典型的な例は、渋滞最後尾など停止している車両が出てきた際に、そのクルマとの距離を認識するのに若干時間がかかることだ。車間距離を長めにセットしていても、ブレーキが掛かるタイミングがやや遅く、今回の1時間の試乗中、システムより先にブレーキを踏んでしまう場面もあった。

 ステレオカメラは動いているモノに対しては認識レベルが上がるが、停止物はやや苦手だ。それを改善するには、さらにカメラの解像度を上げるか、ふたつのカメラ間の距離を離すとか、さらには画像処理能力を上げるなどの方法があるが、すべてコストやスペースとの兼ね合いになってくる。

 勘違いしてほしくないが、だからダメというわけではない。アイサイトのツーリングアシストの本質的な凄さは、世界でトップクラスに値する運転支援システムの能力を、現実的な価格で商品化したことにあり、激オススメのアイテムであることは間違いないのだ。

 最後に余計なおせっかいだが、若干高額選択にはなるものの、レヴォーグであればエンジンは2リッターターボにしたほうがよい「はず」。今回試乗したのは1.6リッターターボだが、アイサイトのスムースなアクセルワークに対し、どうしてもレスポンスが悪い。これは、1.6リッターターボエンジン自体の、ターボが働く前の自力トルクが低いからだ。ツーリングアシストではその領域を使うことが多く、その結果、クルマの動きや速度コントロールにギクシャク感が生じやすいのだ。もしかしたら2リッターターボにも似たような現象が生じているかもしれないが、理論的には自力トルクがある分だけ、スムースさも高まっているはずだ。

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