これが本来の姿だ! スズキ・アルトバンの軽自動車すぎる潔さ

これぞ本来の軽自動車の姿だ!

 最近の軽自動車は高い。そんなに豪華装備じゃなくてもいいし、走りはそこそこかもしれないが燃費が良く、気軽に買えて乗れるのが軽自動車というものじゃないか。と、思ったりする今日この頃だが、ふとした瞬間、アルトバンを見て衝撃が走った。これぞ、本来の軽自動車の姿なのではないかと! 潔いほど「軽自動車している」アルトバンの魅力を紹介しよう。

1)価格が激安

 100万円超えは当たり前、200万円に届きそうな軽の現状のなか、73.7万円という激安っぷり。グレードは3つしかないが(FFのMT/AT、4WDのAT)、最高でも92.95万円である。

2)維持費が安い

 死語かしれないが、アルトといえばボンバンの元祖。ボンバンとはボンネットバンの略で、乗用車的なクルマを商用車登録することで税金などの維持費を抑えたもの。初代アルトが爆発的にヒットしたのはボンバンだったこともある。アルトバンもその名のとおり、商用車なので税金類は当然安い。

3)デザインがいい

 当たり前だが、ベースはフツーのアルト。正確にはどっちがベースかはわからないが、アルトのあのイタリアンテイストのエクステリアデザイン、ツルリとした樹脂が可愛いインパネはそのまま。ホイールはテッチンむき出しだが、社外ホイールに替えればいいだろう。サイズは極小(145/80R13)なのでホイールもタイヤも安い。驚くことにボディカラーは白のみ。まっさらなキャンバスと考えればステッカーチューンも映えるだろう。

今や当たり前の装備がアピールされている

4)5速MTがある

 クルマ好きの話題として「MTがないのはいかがなものか」的なものがあるが、アルトバンにはある。いわゆるハッチバックスタイルでMTがあるなんて夢のようではないか。エンジンは49馬力と、悪くはない。

5)ハイブリッド要らず

 車重はたったの600kgちょい。軽量を活かして燃費は26.2km/Lと財布も大喜び。エネチャージやアイドリングストップはなしだ。

6)装備が簡素

 豪華に越したことはないが、価格が跳ね上がるのはいかがなものか? と思っている人もいるのではないだろうか。オーディオはラジオのみでしかもスピーカー一体。パワーウインドウも上級グレードにオプション設定されるだけ。なんてったってウェブでキーレスエントリーや集中ドアロックをアピールしているほどである。今や当たり前の安全装備がほぼ付いていないのはどうかと思うが、装備表を見ると1990年代のカタログを見ているのかと錯覚するほどのシンプルさなり。

7)最大の見所はリヤシート

 初代アルトの「無理くりボンバン化精神」が残っているのか、後席はほぼ形だけ。シートバックは直立! レッグスペースは10センチぐらいか!? これは、商用車扱いとなるのが、前席以降の1/2以上が荷室でないとダメという基準に合わせたもの。後ろにも乗るならピンと背筋を伸ばして正座するか、前席をマックス前にずらすしかないだろう。子供なら乗れると思うが、後席は常時倒して、2シーターワゴン的に使うのが正解だろう。

「足に使うから豪華じゃなくていい」という声はよく聞く。究極のシンプルグルマがこのアルトバンだ。知らない間に永遠のライバルであるダイハツ・ミラからはバンが消滅。乗用車であるミライースのBというグレードが後継車とされるが、そもそも乗用だし車両価格が高い。

 アルトバンには前までは3ドアもあって、MTを選べば「3ドアハッチのMT」という一見すると、ホットハッチ的な楽しみ方も。装備が簡素なのが気になる人もいるが、小型イタ車バカの小生からするとなんだか共通する部分はとても多い。要は「クルマってこれでいいんだよ」精神である。ある意味、希少グレードすぎて取材用の車両は用意がないので乗ったことがないが、たぶん楽しいだろう。

 運転したことがある、先代のバンはそこそこのパワーを絞り出しつつ、活かしつつ、軽量ボディを感じながら走るのは楽しかった。ホントのピュアを楽しみたい方にオススメだ。