CR-Vの登録台数はRAV4の10%程度

 最近はSUVの人気が高い。2019年4月に登場したトヨタRAV4は、同年5月から10月まで、国内で登録されたSUVの販売ナンバーワンだった。11月以降はコンパクトで価格の割安なライズがSUVの販売1位だが、RAV4も堅調に売れている。2020年1月から6月まで、コロナ禍の影響を受けながら、1か月平均で4536台を登録した。

 一方、ボディサイズがRAV4に近いライバル車のホンダCR-Vは2018年8月に登場した。RAV4と同様、1990年代には好調に売れた実績があり、初代CR-Vは発売の翌年となる1996年に1か月平均で8569台を登録している。この後、国内販売を一度中止して2018年に復活した経緯も含めて、RAV4と共通点が多い。

 ところがCR-Vは、RAV4と対称的に現行型は売れ行きが伸び悩む。2020年1月から6月までの登録台数は、1か月平均で500台を下まわった。RAV4の10%程度だ。

 CR-Vの不人気は2020年に始まったことではなく、発売直後だった2019年1〜6月も、1か月平均の登録台数は1598台に留まる。2019年1〜12月は1087台に下がり、2018年に発売された時の月販目標となる1200台を早くも下まわった。

 RAV4に話を戻すと、堅調に売れる理由は2つある。1つはSUVの原点回帰を感じさせることだ。今のSUVにはハリアーやC-HRのようなシティ派が増えて、悪路走破力の高さを意識させる車種は減った。その点でRAV4は、前輪駆動ベースの4WDを搭載しながら、ランドクルーザーのようなオフロードSUVの雰囲気を併せ持つ。

 RAV4は駆動方式も4WDが中心だ。アドベンチャーとG・Zパッケージには、後輪左右の駆動力配分を変化させ、カーブを積極的に曲がる機能も採用した。トヨタの販売店では「RAV4の機敏な運転感覚は、お客様が店舗の周辺を試乗しただけでも理解して頂ける」という。

価格もRAV4が優位に立つ理由のひとつ

 堅調に売れる2つ目の理由は価格だ。ノーマルエンジンの排気量は2リッターだから、登坂路では少しパワー不足を感じることもあるが、2WD・Xの価格は265万6500円と安い。人気のアドベンチャーは、前述のとおりメカニズムを充実させて外装パーツも装着しながら319万5500円だ。安くはないが、全幅が1800mmを超えるSUVのなかでは機能の割に価格を抑えた。

 その点でCR-Vは、RAV4と逆の特徴を備える。外観はスポーティだが、都会的な印象が強く、野性味は乏しい。RAV4と違って走りのメカニズムにも特徴はない。そしてカーナビの標準装着など装備を充実させたものの、価格はもっとも安い1.5リッターターボエンジンのEXでも336万1600円だ。この価格は上級SUVのハリアーに近い。

 それなのに内装の質には不満が伴う。たとえばインパネのステッチ(縫い目)は、合成樹脂で成型された模造品だ。今では軽自動車やコンパクトSUVのヴェゼルにも、本物の糸を使ったステッチが入るから、300万円を軽く超えるCR-Vが模造品では満足度を下げてしまう。ステッチ風の模様などはやめるべきだ。

 以上のように、RAV4はSUVの原点回帰という潮流に沿ったクルマ作りを行って価格は割安だ。CR-Vは旧態依然としたシティ派SUVで、価格は割高になる。この違いは大きい。

 しかも今の国内で売られるホンダ車では、約50%を軽自動車が占める。そこにフィットとフリードを加えると75%に達する。スポーツモデルが華やかだった時代を知らない人達から見ると、ホンダは軽自動車とコンパクトカーのメーカーだ。そうなると、CR-V、オデッセイ、アコード、シビックなどはホンダのブランドイメージに合わず「残りの25%」に片付けられてしまう。その結果、RAV4とCR-Vの間には、約10倍の販売格差が生まれた。