時代遅れなんてドコ吹く風! 走り好きなら「HV」じゃなくてあえて「純エンジン」グレードで乗りたい現行車6選

乗るなら今のうち!? エンジニアの魂がこもった1台

  そう遠くない時期に、クルマは電動車ばかりになることが予想されている。いや、自動車メーカーによっては何年までにすべてのクルマを電動化する……と宣言していたりする。カーボンニュートラルに向けて、クルマの電動化は確実に進んでいるのである。

 一方で、「最後のガソリン車」と称される、今しか乗れないクルマにも注目が集まっている。そこで、現時点で、HVなどの電動車と純ガソリン車の両方を揃えているクルマのなかで、あえてガソリン車を選びたくなる国産車を紹介したい。

1)トヨタRAV4

 その筆頭が、トヨタRAV4だ。それもアドベンチャーグレードである。RAV4には2.5リッターエンジン+モーターのHVも用意されているのだが、アドベンチャーグレードは2リッターガソリンエンジンに、シリーズ唯一で世界初、新型RAV4のために開発された「ダイナミックトルクベクタリングコントロール」が備わるのである(4WDシステムは全部で3種類ある)。具体的には、後輪左右のトルクを別々に制御(0〜100)するトルクベクタリングコントロールと、4WDを必要としない場面で後輪への動力伝達を切り離し、燃費を向上させるディスコネクト機構を備えた4WDシステムだ。

 また、2種類の4WDが用意されたガソリン車には、オンロード用のエコ、ノーマル、スポーツモードのほか、オフロード専用としてMUD&SAND、ROCK&DIRTのモードもボタンひとつで選べるようになっている。悪路走破性のひとつの目安になる最低地上高は200mmと本格で、ヒルスタートアシスト(全車)はもちろん、ダウンヒルコントロール(アドベンチャーとG Zパッケージ)も完備する本格派と言っていい。

 ガソリン、アドベンチャーグレードだけの「ダイナミックトルクベクタリングコントロール」は、オフロードでの走破性の高さもさることながら、オンロードのカーブでも、曲がりやすさに驚かされる。後輪左右のトルクを別々に制御するため、とくにスポーツモードで顕著になるのだが、たとえば左カーブなら、右後輪側から曲りを積極的にアシスト。ステアリングを切った方向に、吸い込まれるようにグイグイと曲がってくれるのだ。

 しかも車体の姿勢変化は最小限。ゆったり走っても、先を急いでも、本格クロカンに乗っていることをすっかり忘れさせてくれるほど走りは上質で楽しさ満点だ。2リッターエンジンも高回転まで気持ち良く回り、快音を響かせてくれるほど。これはもう、ガソリン車で乗りたいSUVと言っていいだろう。

2)ホンダ・オデッセイ

 今年いっぱいで、1994年からの歴史に幕を閉じる、日本のミニバン文化をけん引してきたホンダ・オデッセイも、HVの良さを認めつつも、ガソリン車で乗りたい1台だ。すでにグレードはアブソルートに集約されているが、ガソリン車のアブソルートは、アースドリームテクノロジーの2.4リッター直4エンジンを搭載。スペックは以前あった標準車が175馬力のところ、直噴化されたアブソルートは190馬力にハイチューンされたスペシャルユニットュだ(どちらもトルク重視型)。

 しかもアブソルートは本格エアロパーツ、10mmのローダウン、ウルトラバッテリーなどを採用。 走りにかかわるアイテムも贅沢で、パワステは全車ZFLS社製のデュアルピニオンEPS、ダンパーはザックス社製振幅感応型と世界一流品。強化スプリング(リヤ)、強化ブッシュ、スタビ(フロント)、EPSセッテイング、17/18インチタイヤ&ホイールまで専用だ。

 そんなオデッセイ・アブソルートは、ライバルメーカーのミニバン開発担当者が「ミニバンの皮を被ったスポーティカー」と表現したほどの、スポーティな走りのテイストが自慢。初期型の乗り心地はガチに硬く(とくに後席でそう感じる)、ファミリーミニバンとしてはハードすぎる足まわりだったのだが、直近のマイナーチェンジ以降の最新モデルは、スポーティな操縦性、ハイレベルな安定性はそのままに、乗り心地面も改善されているから、今こそ買うべき(新車では今しか買えない)スポーティミニバンということになる。

 絶対に選択すべき2列目プレミアムクレードルシートを備えた7人乗りが選べるEXグレード同士で、e:HEVモデルよりも76万5000円も安いところも美味しい!! いずれにしても、オデッセイ・アブソルート(のガソリン車)は、国産Lクラスのスポーティミニバン最後のモデルになるかも知れない。

3)日産スカイライン 400R

 今のうちに手に入れておくべき国産スポーツセダンの雄が、FRレイアウトの日産スカイライン最強グレードとなる400Rだろう。

 純ガソリンエンジンは3リッターV6ツインターボ、405馬力、48.4kg-mという超強力なスペックで、VR30DDTT型の高レスポンス、滑らかな回転フィールは、こうした時代において、国宝もの!? といっていいほどだ。

 圧巻の(血の気が引く)パフォーマンスを備えた、後輪駆動の純ガソリン国産スポーツセダンなど、この先、手に入れることができなくなるに違いなく、スカイラインの(GT-Rを除く)究極モデルとして歴史に残り、HVスカイラインがあるなかでも、今こそ注目すべきハイパワーガソリンモデルと言っていい。

日本のモノづくり魂が光る珠玉の名機たちを楽しむなら今だ!

4)レクサスLC

 やがて絶滅危惧種となりかねない、HVとガソリン車のある国産スーパースポーツがレクサスLCだろう。

 レクサスLCには、3.5リッターV6エンジン+モーター、マルチステージハイブリッドシステムを持つHV(LC500h)と、5リッターV8エンジンを積む純ガソリンエンジンモデル(LC500)がある。そして後者のLC500には、ラグジュアリーを極めたコンバーチブルも用意されるのだ。スペックはHVのエンジン299馬力、36.3kg-m、モーター180馬力、30.6kg-mに対してガソリン車は怒濤の477馬力、55.1kg-mを誇る。こうしたスーパースポーツが、新車で堂々と乗れるのは、今のうちかもしれない……。

5)スズキ・スイフトスポーツ

 高額モデルが2台続いてしまったが、コンパクトカーでもあえてガソリン車で乗りたいクルマはある。その1台が、標準グレードにマイルドHVを用意する、スズキ・スイフトのスポーツバージョンとなるスイフトスポーツだ。ミッションは6速MTと6速AT(CVTではない!!)を用意し、あらゆるスポーツコンパクトを望むユーザーに受け入れやすいのも魅力といっていい。

 その走りは欧州ホットハッチを彷彿させるほどで、K14Cと呼ばれる1.4L直噴ターボエンジンは、車重1220kgものエスクードにも積まれ、グイグイ走れるユニットで、それを990kgのスイフトに積んでいるのだから、遅いわけなし。

 いや、元気すぎるほど活発に、ヤンチャに、楽しく(MTでもATでも)走れるのだからゴキゲンだ。ちなみに、標準型スイフトにもガソリン車はあるものの、そちらとは別物、まったく違うスポーツマシンである。

6)トヨタ・ヤリス

 最後に紹介するのは、これまた国産コンパクトの1台、今、売れに売れているトヨタ・ヤリスだ。標準車にはHVとガソリン車が用意されているが、ここでとどめを刺すのは、ホモロゲーションために開発されたGR版のGRヤリスである。

 世界最高峰の燃費性能を、WLTCモード35.8km/LをHVモデルでたたき出す標準車に対して、GRヤリスは純ガソリンモデルのみで、3気筒1.5リッターLNA、120馬力、14.8kg-mのRS(CVT/FF)、そして3気筒1.6リッターターボ、272馬力、37.7kg-mを叩きだすRZグレード(6速MT/4WD)が用意される。価格はRSでも265万円、RZのベースグレードでは396万円に達するものの、とくにRZグレードの走りはとても3気筒の1.6リッターエンジンとは思えない、怒濤のトルク、加速力の持ち主。何しろ0-100km/h、5.2秒の俊足なのである(2リッターのスポーツモデルより速い!!)。

 6速のi MTには自動ブリッピング機能も付いていて、その走りは恐ろしく速く、エンジン、操縦性命!! の、素晴らしくファンなもの。今は当たり前に売っていて、それこそKINTO専用車まであるのだが、おそらく、こうしたモデルは二度と世に出てこないはずで、あえてガソリン車を選ぶ価値ある、今しばらくしか買えない? 純ガソリンエンジンを積んだ珠玉の1台といっていい。