好評放送中のTVアニメ「プランダラ」。Web Newtypeでは放送をさらに盛り上げるべく、スタッフ&キャストのリレーインタビューをお届けします。記念すべき第1回は監督・神戸洋行と副監督・西片康人の対談からスタート!

――「プランダラ」の原作をお読みになったときの印象をお聞かせください。

神戸 アニメ化の話をいただいたのはかなり前だったんです。そのとき読んだ第3巻の最後は衝撃的な展開だったので、この先はどうなるんだろうと。先がまったく読めん! これをアニメ化するのはすごいなと思ったのが最初の印象です。当時、少年エース掲載の原作は、過去のお話が連載中で。編集部の方とお話をしても、どんな構成にするか、なかなか答えが見つからない。そこから時間が少し空きまして。単行本がかなり増えてきたところでシリーズ構成を考え始めたという感じです。

西片 僕が話をいただいたのは現場が動きはじめるタイミングだったんです。そのころは過去のお話が終わるあたりだったので、これは水無月すう先生の新しい表現だなと感じていました。水無月先生はギャグとシリアスを織り交ぜる作風ですが、だいぶシリアスに寄せている話だなと。

神戸 主軸にしているところが、ダークで重い話なんですよね。水無月先生の過去の作品では珍しい作品かもしれないなと。

西片 女の子がハードなシチュエーションに置かれるというのが、水無月先生の作品の特徴だと思うんですが、前作『そらのおとしもの』からさらに踏み込んだものになっているんだなという感じがありました。後半の展開に至る伏線も前半からしっかりと張りめぐらされていて、先生のこの作品に賭ける想いを強く感じました。

――この作品をどんな方向性のアニメーションで、どのようなところを見せ場としてつくっていこうと考えていましたか?

西片 神戸監督の方向性は、コメディ寄りというよりはリアル寄りに持っていきたいような印象を受けました。

神戸 ギャグに振り切っていない部分があって。シリアス調な雰囲気で真面目。

西片 原作では戦闘中にチビキャラになることがあるんですが、それはアニメでは難しいんですよね。特にBGMがシリアスな時には、唐突にギャグを入れても笑えなくなってしまう。そこは戦闘重視、カットできるところはそぎ落とすというかたちで進めていきました。あと、エッチなシーンについても、バランスは難しかったですね。リアルな顔で陽菜の股間に迫っていると、リヒトーがあまりにも変質者すぎるという意見があって(笑)。見せ方は試行錯誤しましたね。だって、今のところパンツ見せていませんよね。

神戸 そうですね。特に1クール目は基本的にはパンツを出さないほうがいいかなと。パンツを見せていません。エロいシーンもあるんですけど、お話を主軸に見せていきたいと思っていたので、パンツ、パンツというふうになってパンツアニメと言われるのも微妙だなと。そのぶん、予告で「パンツ、パンツ」と言っています。

――あの予告編の台本はどなたが書いているんですか?

神戸 第1話(第2話予告)だけは自分が書きました。その脚本をシナリオライターさんに見せて、その後の話数の予告を書いていただいています。

――「やあ僕リヒトー、次回の『プランダラ』はパンツ祭りだよ。パンツ、パンツ、パンツ、パンツ、パンツ!」(リヒトー)「そんなにパンツが好きなんですか?」(陽菜)「うん! 陽菜ちゃん見せて!」(リヒトー)という内容でしたけど……。

西片 予告詐欺ですよね。

神戸 すみません、パンツ詐欺と言われました。「(第2話に)パンツが出てこないじゃないか」と。申し訳ないです。

――今回、監督と副監督というポジションのお二人ですが役割分担はどのように?

西片 絵コンテのチェックはほぼ全話、監督が担当されています。なので、現場の仕切りは僕が担当してますね。音響周りは監督に任せています。背景や撮影への指示は僕が担当しています。

――監督が今回、絵コンテの段階で重点的にこだわったポイントはありますか?

神戸 アクションは大変でしたね。漫画のコマではすごく印象的に描かれているんですが、これはアニメーションとしてどういうふうに見せるのが良いんだろうかと。かなり試行錯誤しましたね。たとえば第1話でいうならば、リヒトーが高速移動するところの見せ方だとか、彼が歩くたびに衝撃波が出るとか。あとバロットの見せ方もどうすれば良いのかも考えました。第3話でジェイルが出てきますが、彼のバロット能力は鉄ですからね。「黒いスパーク」を出してみようか、といろいろなアイデアを出しながら画面をつくっています。

――制作現場(GEEKTOYS)で愛されているキャラクターは誰ですか?

西片 ナナさんのブラ下は大事なポイントです。ナナのブラの下は肌なのですが、色を塗るとき(仕上げ作業)のミスで、お腹の部分も服があると思って、オールラッシュ(制作中の映像チェック)のときにスタッフみんなでブラの下を見ています。色を塗るチューブトップのようにブラ下も黒く塗っちゃうミスが多いんですよね。なので、オールラッシュ(制作中の映像チェック)のときにスタッフみんなでブラの下を見て、色の塗り間違いがないようにチェックしているんです。でも、ナナさんは皆さん描きやすいと思っていらっしゃるようですけどね。

神戸 水無月先生がジェイルを大好きなんですよ。

西片 ああ、そこは感じます。キャラクターデザインを原作サイドにチェックしてもらったときに、ジェイルはいろいろなリクエストがありましたし、シナリオのセリフをチェックしていただいた時もジェイルのセリフはニュアンスの修正をいただきました。

――リヒトー=バッハという主人公をどのように描こうとお考えでしたか。

神戸 基本的にはかっこよくあり、影を背負っている部分もあり、ちょっとエッチなところがあるという主人公ですよね。彼の明るさは、陽菜と出会えたことで芽生えた部分なのかなと。お話の展開によって、それがわかってくるようにしたいなと思っていました。

西片 前半のリヒトーはずっと仮面をかぶってますからね。「ひょっとこ」の作画が大変です。「ひょっとこ」の口の角度とか、普通に表情を描くことよりも大変なんですよ(笑)。

――かたや、陽菜というヒロインをどのように描こうとお考えですか。

神戸 撃墜王を捜す、一途な女の子ですよね。ひとりで4万キロも歩くような、ありえないことも成し遂げてしまう。

西片 ちょっと天然入っているんですよね。一途で真っすぐなので、見ていて一番安心できる女の子です。

――エンディングは陽菜の過去を点描で描いているような映像になっていますね。

神戸 陽菜目線のエンディングにしてあって、陽菜がこれまで歩いてきた4万キロの旅路を描いています。

――リヒトー役は中島ヨシキさん、陽菜役は本泉莉奈さんが務められていますが、キャスティングはいかがでしたか。

西片 大変でしたよね。

神戸 オーディションに参加してくれた人の人数が多かったですからね。スタジオオーディションは丸一日かかりました。この作品はひとりのキャラクターで年代が違う姿が出てくるのですが、できればひとりのキャラクターにはひとりのキャストさんにお願いしたかったんです。でも、アレクやシュメルマンといった年長キャラクターはできればシブいキャストさんにお願いしたいと思っていて。どなたに頼むべきか、すごく悩みましたね。リヒトーも若いときと青年になったとき、ギャグで二頭身になったときとかなり幅広い芝居が必要になるんです。

西片 リヒトーは芸達者な方がいいなと。そのなかで中島ヨシキさんは見事なはまり役になったなと思います。

神戸 第1話ではリヒトーのギャグシーンから物語が始まるのですが、アフレコのときに中島さんがいきなりギャグに合わせてきたんです。さすがプロ! と驚いてしまいました。おかげでアフレコも順調で、かなりテンポよく収録を進めることができました。ヒロインとなる陽菜役の本泉さんはヒロインらしい役どころをきっちりと演じてくださっています。

西片 本泉さんもキャラクターとのマッチングがとても良かったなと思います。正統派ヒロインというか。すべての話数において、ヒロインとしてきっちりと抑えてくれるので、安心しています。

――前半の話数で監督と副監督の印象に残っているカットやシーンがあればお聞かせください。

神戸 やっぱり第1話のラストですね。陽菜を抱き寄せるリヒトー、撃墜王登場のカットです。原作を読んだときから、全話数のなかで一番印象的なカットになるように作っていきました。

西片 僕は第2話の最後、リヒトーに取り残されてしまう陽菜ですね。泣けるシーンなので、ここは力を入れていました。大好きなシーンですね。

――第7話はどんなエピソードになりそうですか?

西片 このあと一気に物語のテンションが変わってくるので、その前にみんなが集まった話を一度やりましょうと。水無月先生にもご協力いただいたオリジナル話数になっています。

神戸 第7話にオリジナルの話数を入れたのは、キャラクターの関係性をもうちょっと厚く描いておいたほうが良いだろうということで。第6話でリヒトーが落ち込んでしまっているので、陽菜がちょっと元気づけようとお料理をつくってあげるエピソードになっています。陽菜のエピソードも盛り込んでおきたいなという気持ちもあって、後半にわかってくる彼女のサバイバル能力を前半でも見せておきたいなと。

西片 キラキラの笑顔でとんでもないことをするヒロインはなかなか新鮮です(笑)。

――そして今後の展開について、見どころをお教えください。

神戸 今後、激動の展開に移っていくので、きっと見ていて飽きないような作品になっていくと思います。ぜひ、今後の展開を楽しみにしてください。

西片 まずは第7話でキャラクター同士の関係性が深くなっていくところを楽しみにしてください。そこからのトンデモ展開が起きて、リヒトーとジェイルのタッグが育っていくという流れを楽しみに見てもらえればと思います。(WebNewtype・【取材・文:志田英邦】)