流動化するインド政治、日印関係の行方

流動化するインド政治、日印関係の行方

 2018年12月11日、インド29州のうち5州で州議会選挙が行われた。テランガナ州とミゾラム州では国政に影響を持たない地方政党が勝ったが、チハチスガール、マディヤ・プラデシュ、ラジャスタンの3 州(総人口約1億6300万人)では、 与党Bharatiya Janata 党(以下 BJP) の地盤であるにもかかわらず、 BJP は敗北した。ラジャスタン州は予測通りガンディ率いる野党コングレス党が取ったが、 他の2州でも予想に反してコングレス党が勝った。

 モディの不敗神話は崩れ、ガンディ(モディの 68 歳に対し、48歳)が対抗馬として元気よく出てきたということである。

 インドの議会選挙は今年春にある。専門家の一人は BJP は敗北すると予測している。しかし、今回、ラジャスタンとマディヤ・プラデシュでは、コングレス党は僅差で勝ったのであって、次どうなるかはまだわからない。

 しかし、インド政治が流動化していて、モディ首相の2期目があるのかどうか不確定要素が出てきたということであろう。

 2018年10月のモディ首相の来日で、安倍総理が自らの別荘に招待したように、安倍総理とモディ首相の相性は良いので、モディ首相が続くことは日本にとって悪くない。しかし、状況が変わったら、それに適応していくことが必要になるだろう。

 モディ首相はその性格上、ヒンズーナショナリズムを強調する方向に今以上に行く可能性が高いと思われるが、インド政治の動きは注意深く見ていく必要があるだろう。

 2019年1月7日、河野太郎外務大臣とスシュマ・スワラージ・インド外務大臣との間で第10回日印戦略対話がニューデリーで行われた。その中で、河野大臣は、日印関係は、「特別な関係」であり、「自由で開かれたインド太平洋」の実現には、インドは「最重要なパートナー」であると述べた。これは、米国政府がインドを、インド太平洋地域での「主要なパートナー」と認識していることにも一致する。また、モディ首相自身も、2018年のシャングリラ会議で講演しているように、「アクト・イースト」政策を打ち出し、インド太平洋地域でインドが積極的に役割を果たすことを表明した。

 第10回日印外相間戦略対話では、個別案件として、今後、日印間で、「物品役務提供協定(ACSA)」を締結したり、年内に日印外務・防衛閣僚会合(「2+2」)を開催したりすることが話し合われた。また、サイバーや宇宙分野での日印協力を行うことが確認された。

 今回の日印外相間戦略対話が第10回目となっていることからも分かるように、日印間の関係強化は、モディ首相の誕生以前からもなされていた。その事から考えれば、たとえインドの政権が交替したとしても、日印関係自体には大きな変化はないのではないだろうか。

 今年は、安倍総理がインドを訪問する予定であるし、G20大阪サミットには、インドの首相が参加する予定である。今回の外相会談は、その1つの土台作りにもなったのだろう。

  
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