トランプ大統領が最近決定した、高度な技術を持つ労働者のためのH-1Bビザ発給の一時停止が話題です。

ホワイトハウスは、これはアメリカ国内の雇用を生み出すためだとしているのですが、テック業界やその他の高度な知識や技能が必要な業界にいる人からすると、非現実的なことがよくわかります。

テック業界では、スキルがある人は企業間の取り合いになってます。そして、アメリカのテック業界は外国人だらけですが、これは国内の教育では必要なスキルを持った人を養成できていないからです。

アメリカの小学校から高校のカリキュラムを見るとよく分かるのですが、とにかく理数系の教育が東アジアに比べると合理的ではないからです。確かにトップ層に優秀な人はいるのですが、全体的な底上げがかなり微妙な感じです。

さらに、テック系の科目というのは学位を取るのが大変なので、アメリカ人は避けがちです。

ですから、海外で教育を受けてきた人にアメリカで一部勉強してもらって、高度技能人材として受け入れてきた、というのがアメリカの人材確保の仕組みなのです。

その多くが、アメリカで修士号を取得して就職していきます。学部は期間が長く費用も高額ですから、一年半から2年間の修士課程を経て就職するという人が多いのです。

つまり、初中等教育を海外に外注しているわけです。

これは実はアメリカに限ったことではなく、イギリスやカナダ、オーストラリアも似ています。実際現地で子供が学校に通っていると、なぜ理数系教育が微妙なのかというのが実によくわかります。

算数は考えることに重きを置きますが、日本や中国のように合理的に教えませんし、とにかく鍛錬の量が足りません。進み方も遅い。高校卒業時点でのレベルが恐ろしく低水準で十分な学力が身に付いていません。だから、高校や学部までを海外で教育を受けた人を雇ったほうが早いわけです。