日本で今よく使われている言葉。でも、辞書には載っていない日本語があります。インドネシア人のウッミさんは「お祈りメール」ということばを初めて聞きました。「日本はすごいですね。みんなにメールでお祈りを送る方法があるのですね」。外国人が「よくわからない」「変だな」と感じる話から、今の日本にある問題点がわかります。(withnews編集部・松川希実)

きょうのことば

おいのりめーる【お祈りメール】
会社に入ることができないことを丁寧に知らせるメール

一斉に「お祈り」を知らせるシステム?

【東京都に住んでいるイスラム教徒のインドネシア人主婦ウッミさんの話】


ウッミさん「『お祈りメール』って何ですか?」

ーー日本で仕事を探している人が、会社の面接試験を受けたとき、試験のあとで、その会社からメールをもらいます。そのメールを「お祈りメール」と言います。

ウッミさん「『お祈り』だから、たぶん、会社から宗教についての連絡するときに使うメールですね。日本だときっと、「お祈りメール」のための特別の方法があって、そのメールで、みんなに『お祈りをします』ということを知らせるのですね!」


ーー違います。宗教には関係ありません。お祈りメールをもらうと、みんなとても悲しい気持ちになります。


ウッミさん「『お祈り』なのに、どうして悲しくなるんですか? うれしいものじゃないの?」

丁寧だから悲しい?

ーー会社があなたを採用しないとき(=あなたがその会社で働くことができないとき)に、その会社はあなたに「お祈りメール」を送ります。だから、「お祈りメール」をもらうと悲しくなるのです。
会社は「採用できなくてごめんなさい」という気持ちを込めて、最後に「あなたがもっと活躍することができることを祈っています(より一層のご活躍をお祈り申し上げます)」とか、「あなたがいい会社に就職することができることを祈っています(ご健闘をお祈り致します)」のように、「お祈り」を書きます。だから、お祈りメールがたくさん来るのは、うれしいことではないです。


ウッミさん「インドネシアでは、公務員の採用試験の場合は、新聞やインターネットに受験番号が載るだけです。それを自分で見て、終わりです。『お祈り』はありません。日本はインドネシアより丁寧だけど、丁寧だから悲しい気持ちになるんですね」


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