4月、育児休業(育休)からの復帰を前にドキドキなお父さんお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。「子どもは保育園に慣れてくれるだろうか」「家事はどうしよう」「職場になじめるだろうか」などの不安がある中、今年はさらに、「新型コロナウイルスによる影響」を不安視する声もあるようです。新型コロナウイルス流行中のいま、育休から復帰する人たちが注意すべき点はあるのでしょうか。育休後コンサルタントの山口理栄さんに聞きました。(朝日新聞記者・金澤ひかり)

在宅なし→在宅推奨に変わっている場合も

山口さんは、企業の社員研修や自治体主催のセミナー等で、育休から職場復帰する父親や母親、さらに育休復帰する社員を迎える企業の双方に向けたアドバイスをしています。

今回の復帰に関してはまず、「新型コロナ流行の影響で、急遽働き方のパターンを柔軟に変更した会社が多くあるため、その確認をしっかりしてほしい」といいます。
会社の働き方の変化については、以下のような例を挙げます。

1、本来は在宅勤務制度がなかったのに在宅勤務が推奨されている

2、通勤時間をずらすシフト勤務が導入

3、集合研修や会社行事が中止になった


「育休中だった場合、そのような変更通知が届いていない場合があり、復帰前に会社に確認しておく必要があります。特に在宅勤務については、パソコン等の機器やアプリケーションの種類・バージョン、家庭内の作業環境などに、会社が制限を設けている場合があるので、早めの確認と準備が必要です」

ただ、育休中のいま、なんとなく会社に連絡をするのが申し訳ない気持ちになる人もいるはず。(3年前に育休から復帰した際、筆者にも同じような経験があります)

ですが、山口さんは「連絡がなくても、自分から積極的にコミュニケーションを取ることが大切です」といいます。

「職場の混乱を予想し、育休中の身でいろいろと質問したら迷惑ではないかと考えてしまいがちですが、復職して少しでも職場に貢献するためには、現在の職場の正確な状況を把握することが不可欠です」

復帰する側「じゃない方」、働き方見直してみて

職場の状況を把握した後は、家庭内でどのように育児負担を分担するかを話し合うことも重要です。

「育休から復帰する側が、このような状況の中でも早く休業のブランクを取り戻せるよう、パートナーは育児負担のどこの部分を担当するかを決めてみてほしい」と山口さん。
「そのための働き方の変更やその準備を、復帰前から始めましょう」

「働き方の変更や準備」と言われてもピンとこない人もいるかも知れません。例えば、在宅勤務の環境整備もしくは在宅勤務への移行や、保育園の送りもしくは迎えをするための就業時間の変更――などを山口さんは挙げます。
また、いまのうちに市区町村などの、新型コロナウイルス感染症に関する相談窓口の連絡先電話番号も調べておくと安心です。

「突発の休み」に備えて保育園の状況調べて

そして、育休明けの心配の一つに「子どもの看病などで急な休みが必要になるかもしれない」という「突発の休み」に関する心配があります。新型コロナウイルスが流行する中、その不安は増します。

山口さんは、「保育園については、児童や職員の感染で臨時休園することがあるなど、今回の事態に合わせた緊急のルールが適用されている可能性が高いです」と指摘します。

「公立園では緊急の対応について自治体のウェブサイトに掲載されていることがあります。そうではない場合は、直接保育園に確認しましょう」

そして、万が一、家族の誰かが感染したり、保育園が休園になったりしたときのことを考え、自分たち以外に子どもを見てくれる人を確保することも重要だといいます。

具体的には、両親、義理の両親、ベビーシッター、ファミリーサポート、病児保育などです。
ファミリーサポートや病児保育などについては、各自治体のホームページなどから情報を得ることができますし、ベビーシッターなどのサービスは地域で使える業者を調べておくとよいでしょう。

職場は「最新の状況」を直接伝えて

最後に、職場側が配慮すべき点についても聞きました。

「新型コロナの流行で変更になった会社の規則や、中止・延期になった社内行事など、職場の最新状況と今後の見通しを育児休業中の社員に伝えることが必須です」

その際重要なのが、「直接コミュニケーションをとること」。
「文書による通達だけでなく、休業中の社員の状況を聞いたり、休業中の社員からの質問にその場で直接答えたりすることができるように、電話などで直接コミュニケーションをとっていただきたいです」


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