帰省時に確認すべき 実家の親の健康とお金の話

帰省時に確認すべき 実家の親の健康とお金の話

 お盆休みですね。実家に帰省している人も多いのではないでしょうか。先週に続き、このお盆に親と話しておくといいことをお伝えします。前回は、「親の生きがい」についてお話ししましたが、今回は、「親の健康とお金」についてです。

前回の記事「親が元気なうちに確認するべき「もしものとき」のこと」

健康について、親と話すこと

 健康や介護については、もしも親が入院したり、介護が必要になったりしたらどうするか、という現実がありますから、「生きがい」「健康」「お金」の中では一番話をしやすいと思います。

 最近の体調などを聞きながら、病気や介護が必要になったときの希望を確認しておきましょう。

<親に確認しておきたい【健康】について>
・持病の有無やかかりつけ医
・お薬手帳などの服用履歴
・健康保険証や常備薬の保管場所・余命の告知や延命治療を望むか、望まないか

 年齢とともに、健康な親御さんも高血圧や白内障など、さまざまな症状が出てくる可能性が高まります。いつまでも元気でいてほしい気持ちは分かりますが、もしものときに備えて、持病の有無や健康保険証、常備薬の保管場所を確認しておきましょう。

便利なアイテム「命のカプセル」

 なお、スグレモノが「命のカプセル」です。

 自治体によっては、「命のカプセル」と銘打って、上記の内容を記した書類があり、それを所定のカプセル(パスタケースのようなもの)に入れて、「冷蔵庫で保管する」という高齢者世帯ルールを決めています。

 親が住んでいる自治体にそんなサービスがあれば、ぜひ、利用するように伝えておきましょう。もしもの場合、救急隊員が冷蔵庫を開いて、「命のカプセル」で既往症やかかりつけ医を確認するように連携しているので、安心ですよ。

介護についての希望も確認する

 介護はいつ必要になるか分かりません。病名告知や余命宣告も突然に起こります。

 そのときに慌てず、後悔しないためにも、「元気なときだからこそ」もしものときの希望を聞いておきましょう。デリケートなことですから、やはり、紙に書いてもらっておいたほうがよいでしょう。

 子どもには面と向かって言いにくかったことや強がりで言っていたことも、紙なら落ち着いて、本当の思いを書いてくれる可能性がありますし、子どものほうも「お父さん、普段は強がりで言ったけれど、本当はどうしてほしかったんだろう」と、答えのない疑問を持つことがなくなります。

 具体的に書いてもらう内容は次の通りです。

<親に確認しておきたい【介護】について>
・入院時に連絡をしてほしい人とその連絡先
・介護が必要になったときに、誰に介護をしてほしいか(家族介護、施設介護、など)

お金について、親と話すこと

 お金の話となると、「親の懐具合を探っているんじゃないかと思われたら嫌だ」とか「親がお金の話をしたがらない」など、いろんな感情が湧く人が少なくありません。

 でも、何も準備をしていないと、親の思いを十分に受け継ぐことができません。実際、親子や夫婦で早い段階から亡くなった後の話をする人は、その人自身が親や親類の相続で大変な思いをした人が多いように感じます。親の思いを大事にするためにも、「お金でもめたくないから、元気なうちに確認する」ことが大事です。

 どんな金融機関に、いくらのお金があり、どこに、いくらの不動産を持っているのか、など、正確な情報が欲しい内容です。

 その理由は、親が持っている資産総額によっては、相続税を納める必要が出てくるため、相続税対策が必要になることがあるから。

 とはいえ、親が具体的な金額まで教えてくれない場合や、金額までは子どもからどうしても聞きにくいというケースもあるでしょう。そんなときは、少なくとも、口座のある金融機関や保険会社名、土地の場所や数だけでも確認しておきましょう。また、この機会に、普段使っていない口座を解約するなど、金融機関の整理も一緒にするとよいですね。

<親に確認しておきたい【お金】について>
・親一人ひとりの金融資産(預貯金や株式など)
・親一人ひとりの加入保険
・親一人ひとりの不動産など、上記以外の財産
・親一人ひとりのローンなどの借り入れ状況

お墓や葬儀の希望についても聞いておく

 お墓や葬儀については、予算と希望のスタイル、また、葬儀が割安になる互助会などの利用がないかを早めに確認しておきましょう。そうすることで、急なお葬式となった場合にも、親の意思を最大限尊重したお見送りができるのです。

 慌ただしさに紛れて、「このお葬式でよかったのかな」と心にしこりを残すよりも、親と元気なうちに話をしてみましょう。

<親に確認しておきたい【葬儀・お墓】について>
・葬儀の希望や予算(○万円までのお葬式、家族葬など)
・お墓の希望や予算

親にはどんなふうに話をしたらいいの?

 親と話をするきっかけが分からないという場合は、メディアと知人談を使いましょう。

 お盆の時期には、テレビや雑誌などのメディアが相続の話題を取り上げることが増えます。テレビ欄を見ながら「今日のテレビを見ながら聞いてみよう」と計画を練るのも一つですね。

 また、昔から「ウソも方便」といいますから、「最近、職場の先輩の親御さん若くして亡くなったっていうことがあって、すごく大変だったみたいで……」というように、架空の知人談をきっかけに話をするのも一つです。また、エンディングノートを用意して、「この前セミナーでもらったから」「会社から配布されたから」などと親にプレゼントして書いてもらうのもよいでしょう。

 親の周りでも、病気や介護、お葬式などの「もしも」の話題は増えてきているはずです。「親に安心してもらうためのお盆」として、この機会に「もしも」の話をしてみてくださいね。

文/前野 彩 写真/PIXTA

Profile前野彩(まえの・あや)
Cras代表取締役。FPオフィス will代表。大阪在住のファイナンシャルプランナー。中学・高校の保健室の先生から、結婚、退職、住宅購入、加入保険会社の破たんを経て転身。働く女性や子育て世帯が、お金の安心と可能性を実感できる「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を伝える。講演やテレビでも活躍。新著に『本気で家計を変えたいあなたへ〈第2版〉 書き込む“お金のワークブック”』(日本経済新聞出版社)。

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