【医師監修】1歳半以降の夜泣きとその対策法4つ

ぐっすり眠っていると思った赤ちゃんが、夜中に突然起きて泣き出す夜泣き。一般には、一時期のもので1歳〜1歳半ごろになるとおさまることが多いといわれていますが、長く続くケースもあり、悩んでいるママも多いようです。今回は、1歳半以降の夜泣きについてまとめました。

この記事の監修ドクター 大越陽一先生
杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウイメンズホスピタル小児科勤務。小児科専門医

1歳半以降でも夜泣きすることはあるの!?

1歳を過ぎて動きも活発になり運動量が増えてくると、それまで夜泣きをしていた子もおさまってくることが多いものです。でも、中には1歳半過ぎても夜泣きが続いたり、それまでよく眠っていたのに夜泣きが始まる子もいるようです。

それほど多くはないが、1歳半以降でも起こる

「夜泣き」とは、医学的に定義されているわけではありませんが、昼間は元気で食欲もありいつもどおりに過ごしている赤ちゃんが、とくにこれといった原因もなく毎晩決まって泣き出すことを指して使われる言葉です。夜、眠りについてから何時間かおきに泣く子もいれば、毎晩決まった時間帯に泣くという子もいて、泣き出す時間や回数はさまざまです。

夜泣きのピークは生後6ヶ月〜1歳前で、生後3ヶ月〜1歳までの赤ちゃんの約20%前後が週に3日以上の夜泣きをしている、とも言われています[*1]。ただし、1歳過ぎると自然におさまってきて、3歳過ぎにはほとんどの子がしなくなります。数はそれほど多くありませんが、中には1歳半過ぎても夜泣きが続いたり、1歳半以降になってから夜泣きが始まる赤ちゃんもいるのです。

そもそも夜泣きの原因は?

夜泣きの原因は、残念ながらはっきりとはわかっていません。夜泣きの始まる時期や期間、程度も赤ちゃんによってまちまちなので、いちがいには言えないのです。ですから、1歳までのよくある夜泣きと1歳半以降の夜泣きとで、その原因がどう違うのかはっきりと線引きするのは難しい面もあります。

一般には、1歳くらいまでのよくある夜泣きには次のような事柄もその一因となっているのではと考えられています。

1.睡眠リズムが成長段階にあるから

赤ちゃんは、新生児期には1日に合計16〜20時間くらい眠ります。ただし、睡眠は細切れで、昼夜関係なく1〜2時間、起きていて、1〜4時間眠るというサイクルを繰り返します[*2]。 これが、成長とともに少しずつ大人のように夜にまとめて眠る睡眠パターンになっていきます。1歳過ぎの赤ちゃんはその過程にあって、睡眠のリズムがまだはっきりできていません。そのため、夜中に起きて泣いてしまうことがあるのです。

2.昼間の刺激

昼間に思い通りにいかないことがあった、緊張した、興奮した、など精神的な刺激や強い刺激を受けたときに、赤ちゃんはうまく眠れなくなることがあるともいわれています。

3.病気などの体調不良や不快な状態

鼻づまり、発熱、皮膚のかゆみ、中耳炎による耳の痛み…などなど、体のどこかに不快な症状があることも、夜泣きの原因になります。また、暑い・寒いなど室温の状態、のどのかわき、空腹、おむつの汚れなど、生理的な不快感から目を覚まし泣くこともよくあります。

1歳半以降の夜泣きの原因で考えられること

1歳を過ぎると落ち着くことが多いという夜泣き。1歳半以降に起こった場合、特有の理由はあるのでしょうか。

1歳までと同様の理由

1歳半を過ぎても、1歳ごろまでと同じく睡眠のリズムがまだできていないこと、昼間の刺激、体の不調や不快感などが原因で夜泣きが続くことはもちろんあります。

1歳過ぎると歩けるようになる子も多くなって行動範囲が広がりますし、初めて経験するような刺激的なことも増えてきます。また、このころは自我が芽生え、自己主張が激しくなってくる時期です。 こうしたさまざまなことが刺激になって、それまでは夜もぐっずり眠っていた子が1歳半を過ぎてから夜泣きをするようになることもあります。

2〜3歳以降の夜泣きは、睡眠障害のことも

夜泣きは、睡眠のリズムが整ってくる3歳ごろまでにはほとんどがおさまってきますが、2〜3歳過ぎても夜泣きが続く場合には、夜驚症(睡眠時驚愕症)などの睡眠障害が原因のこともあります。

夜驚症は、ぐっすり眠っていた子が夜中に突然目を覚まし、何かを怖がったりおびえたりしているような様子を見せて泣き叫びます。その間は、パパやママが声をかけたり抱きしめようとしても暴れるなどで落ち着きません。症状は数分続きますが、しばらくするとまた眠り、次に目を覚ましたときには何も覚えていません。

原因ははっきりとはわかっておらずよく起こる年齢にも諸説ありますが、3〜8歳[*3] くらいの子どもに多く見られ、成長とともに自然におさまっていきます。なお、夜驚症を起こすのは小児の1〜6.5%程度とされています[*4]。

1歳半以降の夜泣き対策4つ

成長とともにいつかはしなくなるとわかってはいても、夜泣きによるママ・パパの負担は相当なもの。できれば早く夜泣きから解放されたいものですね。赤ちゃんが夜泣きをするときは、次の4つのポイントをチェックしてみましょう。

1.睡眠のリズムを整える

夜泣きは、生活リズムを規則正しく整えることで、改善されることがあります。まずは、朝起きる時間と夜寝る時間をある程度決め、毎日決まった時間に起きて寝るようにしましょう。寝る前は絵本を読んだり親子でたっぷりスキンシップするなどしてゆっくりした時間を過ごし、子どもが安心して眠りに入れる雰囲気を作ります。

また、昼寝は夕方にずれ込むと夜の就寝時間に影響します。あまり遅くならないようにできるだけ調整するようにしましょう。

夜寝る前には、テレビ、スマホやタブレット、パソコンなどを子どもに見せないようにすることも大切です。人間は、暗くなると脳からメラトニンというホルモンが分泌され、体の状態が覚醒ら睡眠へと切り替えられて体温が下がり眠くなります。ところが、LEDディスプレイなどからのブルーライトを見ていると、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。

テレビも画面が明るくまぶしいですし、にぎやかな音が出るので、寝る前に見ていると子どもの脳は興奮状態になってしまいます。こうしたことが原因で、子どもは寝つきが悪くなったりぐっすり眠れなくなり夜泣きにつながることがあります。

2.環境の変化に注意

引っ越しや旅行、保育園入園などといった大きな環境の変化だけでなく、いつもと違ったにぎやかな場所に行ったり大勢の人と会った、などのことも子どもにとっては刺激になります。

睡眠リズムはもちろん、心も体もすごい勢いで成長している不安定なときなので、やさしく抱っこして安心させてあげましょう。とはいえ、くれぐれもママひとりで無理しないことが大切です。日頃からパパと交代であやしたり、あまりにも夜泣きが続いて辛いときは自治体などの運営する一時預かり所を利用するなどして、できるだけ休息を取るようにしましょう。

3.睡眠中の室温に気を配る

睡眠中の室内の気温が原因の夜泣きも少なくありません。時々子どもの背中に手を入れたり手足を触ったりして、寝汗をかいていないか、手足は冷たくなっていないかなどをチェックし、快適に眠れているかを確認してください。

一般には、子どもは大人よりも体温が高く暑がりのため、「寝冷えしないように」とたくさん着せたり寝具をかけたりしているとかえって暑すぎることがあります。冬でも布団から出たり布団を蹴飛ばしたりしているときは暑いということですから、かけるものを1枚減らすなどしましょう。逆に、暑い時期で汗をかいているような場合は、エアコンを上手に使うことも必要です。

4.ひどい夜泣きが続くときは、小児科で相談を

いろいろ手を尽くしても、あまりにも夜泣きが激しかったり、長く続いたりするときは、かかりつけの小児科で相談しましょう。

まとめ

多くの赤ちゃんがする夜泣き。いつかは必ずしなくなる時が来ますが、長く続く場合にはママとパパだけで対処しようとすると、精神的にも肉体的にも大変になってしまうケースもあります。大変なときは「夜泣きくらいで」などと思わず、一時預かりサービスを利用したり、医療機関に相談してみることも考えてみてくださいね。

(文:村田弥生/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]平成 1 4 年度厚生科学研究費補助金(子ども家庭総合研究事業) 「小児心身症対策の推進に関する研究」班 編「子どもの心の健康問題 ハンドブック」, p124
http://rhino.med.yamanashi.ac.jp/sukoyaka/pdf/sinsin.pdf
[*2]厚生労働科学研究費補助金 未就学児の睡眠・情報通信機器使用研究班「未就学児の睡眠指針」, p6-7
https://www.mhlw.go.jp/content/000375711.pdf
[*3]英国民保健サービス(NHS), Night terrors and nightmares
https://www.nhs.uk/conditions/night-terrors/
[*4]厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針 2014」, p61
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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